ユニクロにしては高い1万円の「カシミヤセーター」は本当にお買い得なのか?

カシミヤ100%の上質なニットは、大人であれば一枚は持っておきたいところ。ベーシックアイテムの丁寧なデザイン、ミリ単位のシルエット調整、そして上質素材の圧倒的なコスパの良さにおいて、ユニクロのカシミヤセーターはまさに“買い”の逸品です。そしてベースがしっかりした作りだからこそ、色で遊べる楽しみがある点にも注目です。

 

シンプルな中にも秩序あるデザイン

シンプルなVネックのセーターです。前開きの深さはサイズに応じて5ミリ単位で調整されており、ジャストサイズで着れば“優等生”に見えること必至。しかし、それでいて“とっちゃんぼうや”のような野暮ったさが感じさせないのは、後述するシルエットがこのシンプルなデザインを際立たせているからです。秩序あるデザインと言うべき、洗練された印象があります。

裾はリブになっていますが、締め付けは強くありません。腹回りに生地がたまることなく、体に自然と寄り添います。

サイズを上げても崩れない美麗なシルエット

ゆるやかな“ビッグシルエット”の着こなしがすっかり主流となりつつある昨今においても、このセーターはかたくなに“ノームコア”のかっちりしたシルエットを踏襲しているような形です。

ジャストサイズを目指すならシャツの1サイズアップが程よいところですが、もう少しゆったり着たい場合は2サイズ上げても全く問題ありません。身長178cm、体重64kgで上半身が細身の筆者の場合、ユニクロのシャツはMサイズを選びますが、このセーターはXLを選びました。それでもダボっとした印象は皆無で、それでいてリラックスした印象があります。

背中側にはプリーツなど一切ないプレーンな作りですが、窮屈でもなければ変なシワが入ることもなく、整然とした印象を確保してくれます。

極端な体型だったり、サイズの選び間違いだったりが無い限り、クリーンなシルエットを約束してくれることでしょう。

そしてアームホールの太さも絶妙。中にシャツを着ていてもパツパツになるほど細いわけではなく、それでいて野暮ったさを感じさせるような太さでもありません。シンプルなデザインを損なわないサイズ感です。

高級感のある生地は毛玉が不可避

発色が美しく、艶やかな生地感はさすが「カシミヤ100%」と言うべきところ。昨今は「カシミヤ製」を謳いながらも別の生地が混紡しているものもままあると聞きますが、素材調達から製造まで一貫しているユニクロについては、よほどの組織ぐるみの隠ぺいでもない限り、心配の必要がありません。

ただし、保温性においても定評があるカシミヤとはいえ、このセーターに限って言えばさほど「暖かい」作りにはなっていません。東京に住む筆者にとってはちょうど良いですが、北国の冬を超えるにはいささか心もとない薄さです。

ケアに際してはドライクリーニング推奨です。洗濯は一切NG。実際に水洗いしたらどうなるか、さすがに試す勇気は筆者にはありませんでした。

なお、普段から気をつけるべきは摩擦です。毛玉が大変できやすいのは如何ともしがたいところ。このセーターにバッグを直接斜めがけするとかリュックを背負う、といったことは避けたいところです。また、このセーターを着たまま仕事でPCのキーボードを打つとか、ペンで書き物をする、といったこともNG。袖口は先端で目立つので、ここに毛玉を作ってしまうと、せっかく高級なセーターを着ても印象が台無しです。つまりオフの日の着用を推奨します。

全11色の中から色で遊べる楽しさ


http://u0u0.net/iwFW

このニットのカラバリはユニクロ表記で「01 OFF WHITE」「12 PINK」「15 RED」「19 WINE」「24 ORANGE」「34 BROWN」「39 DARK BROWN」「54 GREEN」「59 DARK GREEN」「68 BLUE」「74 PURPLE」の全11色。

デザインやシルエットがかっちりしている分、そして生地が高級である分、色で“遊ぶ”ことができるのはこのセーターの何よりの利点ではないか、と筆者は考えます。数年前まではユニクロのベーシックなアイテムはカラバリもベーシックな色ばかりでつまらない印象でしたが、最近はこのセーターに限らず、楽しめる色のラインナップが増えてきたように思います。

筆者が選んだ「54 GREEN」はカーキともオリーブとも違う上品なグリーンカラーで、着こなしで差別化がはかどりそう。「12 PINK」や「74 PURPLE」も、普段採り入れにくい色かもしれませんが、こういうアイテムだからこそチャレンジするに値する色ではないでしょうか。

このセーター、オンライン特別商品となっています。2019年12月24日現在、ほぼ全色全サイズ売り切れとなってしまったのは、前日まで“特別価格”と称して3000円引きで販売されていたためでしょうか。定価で購入してしまった筆者としては悔しいばかり。コート以外ではユニクロでも屈指の高額商品であるカシミヤのセーター。リリースされたら早くからブックマークしておいて、“特別価格”のタイミングを狙うのが吉なようです。そして在庫復活に期待しましょう。価格は9990円(+税)

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EQ03

この記事を書いた人

EQ03

身長178cm 体重64kg 靴27.0cm

洋服を“食”と共に、「コミュニケーションを最適化するためのツール」と位置付けています。物産展マニア。国内外を問わず、地域・人に根差した物語性のあるモノ・コトに惹かれます。コーディネートはワイルドよりもきれいめを。