2019年秋冬ユニクロ×エンジニアドガーメンツのフリースショールカラージャケットのメリットデメリットをレビュー

ユニクロとエンジニアドガーメンツとのコラボシリーズの中から、今回はフリース素材のジャケットをご紹介します。着こなしを間違えるとパジャマのような野暮ったい印象になりかねない側面はありますが、汎用性の高いデザインで機能性にも優れており、秋冬の定番アイテムとして活躍してくれそうです。

上品な襟とシンプルクリーンなデザイン

商品名にある通り、このジャケットの特徴は「ショールカラー」と呼ばれる襟。まさにショールを巻いたような、上品な印象のデザインです。顔周りを上品な襟が立体的に演出してくれるため、小顔効果が生まれます。

ボタンは4つボタン。カーディガンに近い雰囲気があり、テーラードジャケットほどカッチリはしていません。左胸と左右についているポケットは蓋のないパッチポケット。フリースのアウターらしいカジュアル感のあるデザインですが、ポケットはベースの生地とほぼ同化しているため、遠目にはほとんど目立ちません。その点で、むしろドレスライク、つまりきれいめな印象が保たれています。

よくよく見ると、後背部の右側にだけ、同じくパッチポケットがついています。実用性はないので、あくまで装飾だと思われます。このアシンメトリーでありながらも悪目立ちしないデザインが、大人っぽい遊び心を演出しています。

 

用途次第でサイズ選びは二択

フリース素材ならではボリューム感の割に、モコモコせずきれいめのシルエットに仕上がっているのがこのジャケットの素晴らしいところ。ニットやデニムジャケットで“敢えてのビッグサイズ”にする着こなしもありますし、このジャケットでそれにチャレンジする方もいらっしゃると思いますが、スタンダードな着こなしをモットーとする筆者にはその使い方は想像すらできませんでした。

筆者が推奨したいこのジャケットのサイズ選びは「ジャスト」または「少しゆるめ」です。テーラードジャケットよりややくだけたビジカジアイテムとして使うなら、袖から少しシャツの袖先が見える程度に。一方できれいめなライトアウターと割り切るなら、手の甲にかかる程度に。

身長178cm、体重64kgで上半身が細身の筆者の場合、Mサイズで「ジャスト」、Lサイズで「少しゆるめ」です。なお、ユニクロのYシャツをビジネス用途で選ぶ際はMサイズがジャストです。

アームホールは細め。フリースでありながらアウトドアアイテムっぽい印象が無いのは、まさにこういうところですね。ただ、裏地がついているわけではないので、ローゲージのニットを下に着ようとすると、摩擦がストレスになるかもしれません。

身丈はLサイズで76cm。ユニクロのジャケット(コンフォートジャケットなど)の身丈はLサイズで72cmなので、やや長めですね。なお、後背部にベント(切れ込み)はありません。

余談ながら、ジャケットの裏を見ると、パッチポケットの裏側がナイロンで補強してあるのがわかります。パッチポケットって、ともすればだらしなく開いてしまうことでカジュアル度を増してしまうところですが、こうした“手当て”によってきれいめな印象が保たれているんですね。こうした丁寧な作り込みが、このジャケットの価値を引き上げているんだな、と感心させられました。

チープ感のないメランジ調の生地

このジャケット、触ってみるとフリースならではのフカフカ感なのですが、パッと見ではフリースっぽさが感じられません。異なる色の糸が混じり合う“メランジ”調の生地感はモノトーンでありながら立体感があり、「こなれ感」と称される大人アイテムにふさわしい表情が生まれます。これは後述するカラバリのネイビーのものにはなく、グレーのものだけではありますが、大いに評価したいポイント。

ただし、このメランジ調の作りが理由かどうかはさておき、毛玉ができやすそうな気配を強く感じます。これは商品の注意書きにもありましたし、あとは筆者の勘としか言えないのですが。リュックを背負うなど、生地との摩擦が起こりやすい使い方は避けた方が良さそうです。なお、この記事執筆のために「敢えて摩擦を繰り返して毛玉ができやすいことを証明する」勇気はありませんでした。ご了承ください。

昨今、ボタンの「高見え」感に定評のあるユニクロのボタン。このジャケットのボタンは若干プラスチック感が強いですが、それでも単色ののっぺりチープな作りではなく、表情のある作りになっているあたり、「ボタンもデザインの一部」という意識を感じさせてくれます。

ケアについてです。このジャケット、自宅で洗えます。筆者が裏返してネットに入れて「ソフト洗い」して、パンパンと伸ばして陰干ししたところ、一日でシワなくきれいに仕上がりました。乾燥機はNGですが、そもそも乾きやすい素材なので不要です。ただ重ねて申し上げたいのは「毛玉になりやすそう」な点。洗濯時のネット使用はマストだと思いますし、1シーズンに何度も洗う必要があるものでもないだけに、洗うときはできれば単独で洗ってあげたいところです。

 

袖を通すと印象が変わる2色展開


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このセーターのカラバリはユニクロ表記で「07 GRAY」「69 NAVY」の2色展開。グレーは、筆者は袖を通すまでは「おじさんくさい」印象がありました。上述のメランジ調の生地感がツイードを想起させたからかもしれません。実際に袖を通してみると、大人っぽさはあるものの、ショールカラーとロング丈のデザインのためか、それほど「おじさん」な印象にはなりません。

一方で、ネイビーの生地はメランジ調でないため、パッと見では単調でつまらない印象がありましたが、いざ袖を通すと「クセは無いけどデザインが上品な分、使いやすそう」という印象です。どちらを買ってもきっと満足度は高そうですが、本稿執筆時点(2019年10月21日現在)で、既にグレーは全サイズ完売、ネイビーもLサイズとXLサイズ以外は完売となっています。実店舗で探すか、在庫復活を期待するか。いずれにしても、見かけた時は是非お試しください。価格は4990円(+税)。