ここ数年、ユニクロはニューヨークを拠点に活躍するデザイナー、HANA TAJIMAとユニクロがコラボしたコレクションを発表しています。その2018年春夏コレクションの中から、今回は黒ジャケットを取り上げます。
本来はレディスの商品ですが、そもそもユニクロの公式サイトで「メンズライクなデザインやシルエットで、女性らしさのイメージを変える1着」と紹介されているこのジャケット。“キメ過ぎ”にならず使い勝手が良い点で、男性にも是非オススメしたい逸品です。
シンプルでありながら独自性のあるデザイン
このジャケット、ボタンを外して着ると、ゆるっとしたロングジャケットのような見え方です。ボタンが胸元ではなく左にひとつだけついており、それがシンプルなデザインの中でワンポイントになっています。
ボタンを留める時は、内側のボタンと外側のボタンの2つを使って留めます。ボタンを留めるとかっちりとしたハーフコートのような見え方になります。
なお、ボタンがイレギュラーな位置にあるとは言え、本来的にレディス向けということで、ボタンとボタンホールの位置がメンズと左右逆になっています。留めるにはちょっとした“慣れ”が必要です。
左右のポケットは表地に“切れ込み”のように設えられている「セットイン・ポケット」の仕様。ポケットの存在がデザインとして主張しすぎず、ここもまたさりげないアクセントになっています。一方で、構造上致し方ないところですが、内側にはポケットはありません。
また、後背部にセンターベントやサイドベンツといった切れ込みもなし。ただ、ベントはアクティブに動く際に有用なデザインということで、筆者の実感としては、都市生活において「ないと困る」ものではありません。また、後述するシルエットにも助けられ、特に動きにくさを感じることもありません。
ともあれ、メンズ用の一般的なテーラードジャケットとは異なる仕様であるものの、それぞれの構成要素はシンプル。ドレス感がありながら、日常的な街着として使いやすい、絶妙のデザインに仕上がっています。
※ドレスとは? こちらをご参照ください。http://www.neqwsnet-japan.info/?p=1810
体型を隠しながら視線を縦に誘導するシルエット
続いてシルエットについてです。肩回りはタイトめにフィットし、アームホールも細め。それでいて胴回りは若干ゆったりとしており、体型が出にくい作りになっています。
両脇のところに“絞り”があり、ボタンを留めると「ジャケット」と言うよりは「制服」とでも呼びたくなるような、秩序あるカッチリしたシルエット。
しかしボタンを外すと、末広がりのようになり、程よくルーズ感のあるシルエットになります。どちらにしても、横に広がっているような印象はなく、縦方向に視線を誘導されるスマートなシルエットと言えるでしょう。
それでは、このジャケットの寸法を見てみましょう。SからXLまでの4サイズが用意されています。身長178cm体重64kgの筆者が選んだのはXLサイズ。そんな筆者が着用した際のサイズ感も付記しますので、ご参考にしていただければ幸いです。
着丈はSで69cm、Mで71cm、Lで73cm、XLで75cm。筆者の場合、ふとももが半分隠れる程度です。
肩幅はSで38.5cm、Mで39.5cm、Lで41cm、XLで43.5cm。筆者の場合、肩が微妙に余る程度です。
身幅はSで48cm、Mで50cm、Lで53cm、XLで56cm。筆者の場合、若干ゆとりがありますが、おかげで華奢な体型が自然と隠れます。
袖丈はSで58cm、Mで59cm、LとXLで60cm。筆者の場合、両腕を下ろすとちょうど手首が隠れる程度です。ただしこれは袖自体の短さを身幅が補っているからです。腕を伸ばしたり挙げたりすると、若干寸足らずな印象になります。
ツヤとハリのある高級な生地感
続いて生地についてです。表地は商品名にもあるテンセルが56%、コットン41%、ポリウレタン3%の混紡です。
テンセルとは、ハリやコシ、弾力性と上品な光沢感を備えた化学繊維です。実際にこのジャケット、ハリとツヤは相当なもので、高級感があります。筆者はこのジャケットを着ていると、行く先々で「それいいですね。どこのジャケットですか?」と訊かれますが、「ユニクロですよ」と言えばまず例外なく驚かれます。
両脇から裾にかけてのみ、ポリエステル100%の裏地が張られています。
ボタンはプラスチック製。よくよく見るとプラスチックであることがわかりますが、遠目には水牛ボタンのような高級感のある作り。無地の中のワンポイントを務めるにふさわしい仕立てと言えます。
ケアに際してはクリーニング一択。タグによると「石油系溶剤による弱いクリーニングができる」となっています。テンセルは水に濡れると縮みやすいとも風合いが硬くなるとも言われている素材。筆者は実際に試してはおりませんが、オススメはしません。
なお、生地について1点注意を要する点があります。それは「摩擦をできるだけ避けるべき」ということ。テンセルは摩擦した部分が白くなってしまう特徴があります。
写真はわかりづらくて恐縮ですが、筆者が10回ほど着て出歩いたこのジャケットの、左肩周りの部分。トートバッグを左肩にかけていたのが良くなかったようです。バッグは手持ちできるものを使うようにした方が、このジャケットも長持ちしそうです。
3色展開ながら、筆者のオススメは「09 BLACK」一択。
このジャケットは、もともとユニクロ表記で「09 BLACK」「27 ORANGE」「32 BEIGE」の3色展開でしたが、「32 BEIGE」の通販分はこの記事執筆時点で既に完売。「09 BLACK」も残るはSサイズのみ、一方で「27 ORANGE」は全サイズ残っている状況です。
ただ、実店舗では「09 BLACK」「32 BEIGE」が残っているところもあります。筆者が本稿でオススメしたいのは「09 BLACK」。他の2色は、筆者の実感では“レディスっぽさ”が強く出てしまう印象でした。ただ、是非ご自身の目でご確認いただければと思います。
価格は値下がりしており、筆者執筆時点で3990円(税別)。ご自身に合うサイズ・色が見つかれば、即“買い”だと思います。
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