2017秋冬ユニクロ×イネス第2弾「ジャカードセーター」は大人っぽい色選びがポイント

時折、世界的な大物デザイナーとのコラボで話題を呼ぶユニクロですが、この秋は集中的な展開で特に盛り上がりを見せました。

その中のひとつが、「イネス・ド・ラ・フレサンジュ」とのコラボにおける、初のメンズライン。注目アイテムだったグレーのツイードジャケットは早々に完売するなど、期待に違わぬクオリティを見せてくれました。

そしてその第2弾が10月16日に発売されています。その中から今回は、柄物のセーターを取り上げます。

カジュアルになりすぎない“大人”のフェアアイル柄

今回ご紹介するセーターは「フェアアイル」という柄が全面に入ったデザインです。フェアアイル柄は元々、英国スコットランドのシェットランド諸島のフェア島発祥で、特徴はそのカラフルな色使いと、数段にわたる幾何学模様。

北欧やケルトの文化の影響を受けていると言われる一方で、スペインの無敵艦隊がフェア島に難破したことで伝えられたとの説もあり、スペインにちなんだバスクの百合、ムーアの矢や十字架、グラナダの星などの模様が使われることもあります。このニットもよく見ると百合の意匠が反映されています。

こうした文脈の中で、カラフルであることも柄の印象が強いことも「正しい」のですが、そんな「正しい」フェアアイル柄を日本人が身に着けると、どうしても子供っぽさ、カジュアル感が強く出てしまうのも事実です。

しかしこのセーターは柄が細やかで、かつモノトーン。カジュアルな中にも“大人っぽさ”が確保されたデザインに仕上がっています。それではこのセーターのディテールを順番に見て行きましょう。

首回りはクルーネック。人の視線を集める先端部分、つまりネックの部分だけ、柄ではなく無地の黒で切り替えになっています。このセーター単体で見せても違和感はないでしょうけれど、基本的にはインナーと合わせるのが前提。黒のタートルネックや無地の襟付きシャツが好相性です。

肩と袖は、生地の継ぎ目がわからないように柄が繋がっています。

袖も首回りと同様に、先端部分のみ無地の黒。そしてゆるやかなリブになっており、締まった印象になっています。なお、アームホールは細めです。

裾も袖口と同様に、無地の黒でリブ仕様。セーターの裾がリブになると、冷気をシャットアウトする一方で、しばしば「動くと裾がずり上がってしまう」という問題が生じます。

その点、このリブはずり上がってくるほどではありませんが、体のラインに寄り添う程度にはフィット感があるので、腹回りのサイズが大き目の方だと、体型が少々目立ってしまいそうです。

サイズ選びは「ジャスト」を目指すのがオススメのシルエット

 

昨今の「ビッグシルエット」のトレンドの中で、オーバーサイズ気味の着こなしをよく見かけます。もちろん着る人の自由なのですが、筆者としては、このセーターは「ジャスト」を目指した方が良いのではと思います。

理由は2点。1つには、ただでさえ柄のおかげでカジュアルなデザインなところに、さらにシルエットまで崩してしまうと、カジュアル感が強くなりすぎてしまいます。

そしてもう1つには、上述の通りアームホールが細めで、先端部分はリブになっており、そもそもリラックス感のあるシルエットを見せにくい作りになっているためです。

肩幅はSで37cm、Mで38.5cm、Lで40cm、XLで42cm、XXLで44cm。
身幅はSで45.5cm、Mで48.5cm、Lで51.5cm、XLで55.5cm、XXLで59.5cm。
袖丈はSで60cm、Mで62cm、Lで63.5cm、XLで65cm、XXLで66cm。
身丈はSで61cm、Mで64cm、Lで67cm、XLで70cm、XXLで73cm。

身長178cmで細身の筆者は、シャツだとMサイズを選ぶことが多いのですが、このセーターは1サイズ上げて、Lサイズでちょうど良いと感じます。袖は腕を下してちょうど親指の付け根あたり。

裾はスラックスのポケットが半分隠れる程度。肩回りや身幅は程よく動きやすいです。これがXLになると、特に脇から背中にかけての生地が大いに余り、リラックス感と言うより、ただ“だらしない”だけの印象になりました。

保温性は高い生地ながら、取り扱いにはご注意を

このセーター、かなり厚手です。雪国の越冬には少々心もとないかもしれませんが、東京近郊くらいの気温であれば真冬でも着られそうです。

なお、素肌の上に着ることはまずないと思いますが、チクチクする生地感ではあるので、インナーをうまく活用して肌に直接触れないようにしたいところです。ただ、摩擦の多いインナーを着ると、まるで犬とじゃれ合った後のような“抜け毛”がインナーに張り付きます。

生地は、アクリル51%、ナイロン23%、羊毛14%、アルパカ10%、ポリウレタン2%と、様々な素材を組み合わせたものです。こうした異素材混交の生地は毛玉ができやすいもの。着用に際しては、バッグやベルトと直接触れることによる摩擦を避けるようにしたいところ。

ちなみにこのセーター、手洗い前提ですが、自宅で洗えます。乾燥機は当然ながらNGで、日陰の平干し推奨です。

全5色。手堅く選ぶならモノトーンを

http://www.uniqlo.com/jp/store/goods/401681-31

http://www.uniqlo.com/jp/store/goods/404517-69

このニットは5色展開。厳密には、今回ご紹介した柄は色違いで2種類、それと別の柄で3色ですが、同じ「ジャカードセーター」の名前で、計5色のアイテムが展開されています。今さらですが「ジャカード」は色や柄ではなく、織り方の名称。

ユニクロ表記ではそれぞれ「09 BLACK」「31 BEIGE」と、「28 DARK ORANGE」「32 BEIGE」「69 NAVY」です。冒頭にてご紹介した通り、そもそもフェアアイル柄とは「多色遣いで何段にもわたる幾何学模様」なので、「28 DARK ORANGE」「32 BEIGE」「69 NAVY」が本来的には“正しい”デザインです。

ただ、大人っぽい着こなしの中に採り入れるのであれば、「09 BLACK」「31 BEIGE」をオススメします。

実のところ、単品として筆者が最も魅力を感じたのは「31 BEIGE」でした。確かにベースカラーはよく見るとベージュなのですが、遠目にはオフホワイトくらいの、白に近い色味です。柄物ではありますが、とても上品なデザインです。

筆者が今回「09 BLACK」を選んだのは「黒なのに地味ではない」ところに惹かれたためです。価格は2990円(+税)ということで、ニットとしては押さえ気味な価格設定。コーディネートに上品なカジュアル要素を容易に採り入れられる点で、1枚持っておいて損はないアイテムと言えますね。

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【2019】メンズのおすすめニットを「買って」レビュー!【全38点】

2019.04.19
EQ03

この記事を書いた人

EQ03

身長178cm 体重64kg 靴27.0cm

洋服を“食”と共に、「コミュニケーションを最適化するためのツール」と位置付けています。物産展マニア。国内外を問わず、地域・人に根差した物語性のあるモノ・コトに惹かれます。コーディネートはワイルドよりもきれいめを。