【人気】意外と大容量なユニクロ×J.W.アンダーソンのパデットバックパックをレビュー

2017年9月22日、ロンドンを代表するデザイナーのひとり、ジョナサン・ウィリアム・アンダーソンとユニクロのコラボアイテムがリリースされました。

ロンドンの伝統に革新的な創意を加えたアンダーソンのデザインと、ユニクロの機能や素材へのこだわりが掛け合わされたユニークなアイテムの数々。好き嫌いは分かれるところでしょうけれど、非常に興味深いコレクションとなっています。

本稿ではその中から、これからの季節のコーディネートにぴったりのバックパックを取り上げます。

英国の伝統を背景とした色鮮やかなタータンチェック

アンダーソンのデザインは、時に“奇抜”にも見えるような刺激的なものが多いことで知られています。今回のコラボでは、そんなアンダーソンのデザインが、ベーシックを極めたユニクロとどのように結びつくのかが注目されました。

そしていざフタを開けてみると、アイテムごとにその“結びつき方”は様々。

ただ、このバックパックに限って言えば、アンダーソンらしい色遣いが、ユニクロっぽいベーシックな機能・シルエットに反映されたもの、と解釈できそうです。

このバックパックは3色展開ですが、ユニクロ表記で「66BLUE」となっているこのタータンチェックのものを、アンダーソンらしさが最も顕著に反映されている点において、筆者は強くオススメしたいところです。

タータンチェックは、元々はスコットランドの伝統的な意匠です。アンダーソンの出身地である北アイルランドとも、アンダーソンが今活躍しているロンドン(イングランド)とも異なる出自のものではありますが、広義の「英国」を象徴するデザインであることは間違いありません。

このアンダーソンらしいビビッドなタータンチェックは、今回のユニクロコラボの様々なアイテムで使われているキービジュアル。多色遣いのため一見派手ではあるものの、ブルーを基調としているためか、不思議と落ち着きを感じさせる仕上がりです。

なお、総柄のバックパックの中で、「JWアンダーソン」のロゴが入ったパッチがワンポイントになっています。

このパッチはポケットになっていますが、縦横12cm(縫い目を考慮すると、収納できる横幅の実寸は10cm)と、ポケットティッシュがギリギリ入る程度の収納力。ボタンやファスナー等も特についておらず、貴重品の収納にも不向きです。あくまで飾りと考えるのが適切でしょう。

形はシンプルながら大容量

形状自体はいわゆるベーシックなバックパックです。ユニクロ公式ウェブサイトでは「コンパクトなサイズで使いやすい。」と紹介されていますが、筆者の初見の感想は「デカいな!」でした。同じく公式ウェブサイトによると「容量27リットル」と記載されています。

この数字だけを見てもいまいちピンときませんが、いざモノを入れてみると、これがただならぬ大容量であることを実感できます。

売場では底のマチの部分がたたまれた状態で陳列されていますが、広げてみると「頼もしい!」と感じてしまうほどの幅です。

公式ウェブサイトでは「縦42.5×横33×幅19cm」と記載されていますが、この「幅19cm」は、週刊コミック誌を横にしても、折れることなく収納可能な幅なのです。

筆者の手元にあったコミック誌を、試しに底から積んでみました。7冊積み上げたところで、なお上部にこれだけの余裕があります。その上、脇の空いたスペースに2リットルのペットボトルも入ってしまいます。この状態でファスナーを閉めて背負ってみても、特に偏りが生じるようなこともなく、問題は感じられませんでした。

実際にこんなモノの入れ方をすることはありませんが、少なくとも日常生活で使用する分において、容量不足に悩むことはまずなさそうです。

ちなみに本体の左右にはサイドポケットがついています。縦18×横15cm程度のため、500mlのペットボトルを入れようとするとフタが閉まりませんが、スマートフォンやその充電ケーブルといった小物を入れる分には問題ありません。

また、このバッグの内側にもポケットがあります。サイズはサイドポケットとほぼ同じ、縦18×横15cm程度ですが、サイドポケットほど奥行きがありません。

こちらもスマートフォンを入れるくらいは可能ですが、このバックパックはそもそも背中側のクッションが薄いため、この内側のポケットに何かを入れると、背中に違和感が生じる可能性がある点、注意が必要です。

「ウルトラライトダウン」モチーフの素材感

このバッグはユニクロを代表するアイテムのひとつ、「ウルトラライトダウン」がモチーフになっています。アイテム名の「パデットバックパック」の“パデット”は中綿という意味。ただ実際のところ、ダウンが入っているわけではなく、中綿はポリエステルとのことです。

中綿のみならず、表地と裏地もいずれもポリエステル100%。パッチポケット部分のみが合成皮革となっています。化繊の光沢感は、ともすればチープな印象を喚起しかねないところですが、中綿が入ることで柔らかな風合いをもたらし、バッグ表面に表情を与えています。

なお、上述の通り、背中が当たる部分のクッションが薄いことに加え、ショルダーストラップもほとんど厚さはなく、ペラペラです。大容量とはいえ、荷物を目いっぱい詰めて重いものを運ぶことが前提の作りにはなっていないようです。

逆に大容量であるがゆえに、少々の荷物を入れたくらいでは型崩れしません。実際にふだん街を出歩く際に、このバッグがいっぱいになるほどの荷物は不要なはず。そんなわけで、オシャレ視点からすると「よくできた作り」とも言えそうです。

ロングコートと合わせて脱地味Yラインを。

このバッグの柄は上品ではあるものの、決して地味ではありません。さらにリュックであることも踏まえると、とても「カジュアル」なアイテムです。メンズファッションに本来不可欠な「ドレス感」が足りていません。
※ドレスとカジュアルについてはこちらをご参照ください。http://www.neqwsnet-japan.info/?p=1810

しかしそれは、あくまでもこのアイテム単品の話です。コーディネートは全体のバランスが重要。そして冬にロングコート、特にチェスターコートのようなドレス感の強いコートを着る際には、このバッグが大いに役立ちます。

と言うのも、ロングコートは全身の中で占める面積が大きいため、ともすれば「大人っぽいけど地味」という印象になりかねません。そんな時、このバッグがあれば一気に“脱地味”が達成できるのです。

また、ロングコートを着る際は、ボトムスに細身のパンツを合わせるのが定石。しかもそこにバックパックを背負うと、上半身のボリュームがより一層強調されて、きれいな「Yラインシルエット」に仕上がります。

なお、その際はラフにワンショルダーで背負うことをオススメします。


http://ur0.pw/G2TT

ちなみに上述の通り、このアイテムは3色展開。筆者のオススメはあくまでタータンチェックの「66BLUE」ですが、「“脱地味”+Yラインシルエット」という観点に限れば、この「17RED」も悪くありません。


http://ur0.pw/G2TT

逆にカジュアルなトップスと合わせるのであれば、「09BLACK」を選ぶのも一手です。しかしこの3色のラインナップの中で、敢えて黒を選ぶ必要性は、筆者には感じられません。

上品な柄物リュックをリーズナブルに入手できるチャンス!

筆者は長らく、上品に“脱地味”ができるバックパックを探していました。色遣いが派手なだけのバックパックとはしばしば出会うのですが、大人が使うに足るような上品な柄物を探しても、なかなか良品に巡り合えずにいたのです。

その点、このアイテムの柄は上品かつ他にないもので、とても秀逸です。しかも3990円(税別)と、バッグにしては相当リーズナブル。

特にドレス感の強いロングコートをお持ちの方には、是非オススメしたいアイテムです。

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2018.01.21
EQ03

この記事を書いた人

EQ03

身長178cm 体重64kg 靴27.0cm

洋服を“食”と共に、「コミュニケーションを最適化するためのツール」と位置付けています。物産展マニア。国内外を問わず、地域・人に根差した物語性のあるモノ・コトに惹かれます。コーディネートはワイルドよりもきれいめを。