どうしてネクタイが必要なの？
ユニクロのネクタイはとてもシンプルながら「えっ、このクオリティでこの価格!?」とビックリしてしまう逸品です。このネクタイを見て触って、価格を当てられる人はいないでしょう。
詳しい説明の前に、そもそもネクタイってなぜ必要なのでしょうか。ネクタイは人を最も印象づける顔の近くに位置し、シワのない整然としたスーツやシャツの中でキラリと光る個性です。例えば、就活中に面接前に「そのネクタイ、カッコイイですね」と言われたことはありませんか？ 多くの人はスーツよりもネクタイを褒めるはずです。それだけ印象に残るものなのですね。
首元だけではありません。ネクタイはベルトにかかる程度の長さに調節するのがカッコイイとされています。これはネクタイが絶妙に腰位置を隠す存在となっているからです。もし短く結んでシャツが見えていると、腰の高さを露呈してしまい、足が短く見えたりお腹が出ている印象に映ってしまいます。逆も然り、長すぎるネクタイはだらしない印象に映ってしまいます。
「クールビズが始まってスーツをだらしなく着る人が増えた」とは多くの識者がおっしゃるとおり。これは上記の理由もひとつの要因です。息苦しいし、毎日結ぶのも面倒と迷惑がられる存在ですが、いざという時必要なネクタイ。今回はユニクロ、ネクタイ+Eをレビューします。
デザインや素材について
デザインはとてもシンプルです。長さは145cm、剣幅は8cmです。これはオーソドックスなネクタイと同じ大きさです。剣幅はよくスーツのラペル、つまり襟の太さに合わすとよいと言われますが、まさに万能な太さ。どんなスーツとも相性がよいでしょう。ここからは、各パーツをご覧いただきます。
（大剣）
（大剣・裏（フェイシング））
（中継ぎの縫製もキレイです）
（小剣通し（ループ）もタグがなく上品です）
総じて、シンプルながら誠実な作りです。縫製もしっかりしており、雑なところがありません。もし、ループ部分にユニクロのタグがあったら、きっと私はネクタイを結ぶ度に萎えてしまいます。ユニクロのハイクオリティを持ちつつ、ユニクロらしくないのがこのネクタイです。
そして素材はシルク100%。ツヤのある細い糸を使用し、適度な光沢が高級感を演出します。目立つ顔の近くに位置するネクタイだけに、この上質な素材感は頼りになります。そして生地は手に取ると肉厚で、ハリやコシがハッキリとわかります。
しかも肌触りが滑らかで、結ぶ際にできるくぼみ、つまりディンプルが作りやすいです。
同価格帯のネクタイと比べてみた
（左：工場直送の格安品 右：ユニクロ）
比較対象として、ショッピングモールによく出店している工場直送がウリの1000円程度のものを購入してみました。ネクタイ生地の善し悪しを知る判断材料として、握って離したときにどんな感触が得られるかで品質を確かめることができます。実際にやってみると、ユニクロのネクタイは馴染みがよく、握って離すとじわっと生地が戻ります。
これは1万円を優に超えるネクタイの品質と大差ありません。それに対して格安品は握って離すとパッと返ってくる。シルク100%と謳っていましたが、おそらく縦糸か横糸のどちらかの素材が違うのかもしれません。
ネクタイを結ぶときにコントローラブルなのは断然ユニクロで、前述のとおりディンプルも作りやすいです。また、結んだネクタイが解けにくくだらしない印象を与えません。
このクオリティは手に取った人に自信を与えるアイテム
お手入れはドライクリーニングが必須です。これは水に弱い上質なシルクを用いているためです。また、摩擦に対する耐久性も高くありません。ただ、ネクタイは目立つ顔の近くに位置し印象を決定づけるもの。それ故素材の善し悪しが際立ちます。これだけツヤのある細い糸は耐久性が低くて当然なのです。
オンラインと一部店舗での展開で、価格は1500円（+税）です。柄については写真の無地の他にドット、ストライプのバリエーションがあります。フォーマルな場に相応しく、本格的なビジネスタイにも引けをとりません。この価格でこのクオリティが手に入るのは革命的。自信を持ってオススメできます。
