メンズ・ボトムスの定番といえばデニム生地を使った、いわゆるジーンズ。ただジーンズといっても素材や生地、シルエットにより、多くの種類があります。今回はジーンズとしては珍しいサテン生地を使ったユニクロの『スキニーフィットカラージーンズ(サテン)』をレビューします。
素材と生地感

素材は、綿75%、レーヨン22%、ポリウレタン3%。綿100%ではなく、ほかのEZYジーンズシリーズと同じく化繊混合のストレッチが効いた素材感となっています。
まず名称に入っている「サテン」。「サテン」というと光沢があり、テカっとしたイメージがありますが、このアイテムにテカった印象は皆無です。実物を見て、触ってみるとわかりますが、軽く起毛しています。印象としてはサテンというよりも落ち着いたベロアのよう。
「サテン」とは素材ではなく、生地の織り方の名称です。ごく普通の平織(経糸・緯糸が交互に出てくる生地)よりも経糸が長く表地に現れる織り方のため、凹凸が少なく、サテン生地は光沢が出やすくなっています。しかし、このアイテムはそういった特徴を持つサテン生地を起毛させることで、あえて凹凸を生じさせ、光沢を抑えさせています。
あえて落ち着かせた艶感が魅力

光沢を抑えるのならば最初から平織でいいのでは?と思うかもしれませんが、実物を見るとわかります。最初から艶感や光沢がないモノと、あえて艶感や光沢を抑えたモノとでは、印象が別物です。元々の生地にツヤがあるため、起毛により落ち着きはしても、艶感がなくなるわけではありません。女性がよくつけているファー(毛皮)をイメージしてもらうとわかりやすいかもしれません。先に「ベロアのよう」と書いたように、この落ち着いた光沢や艶感が本アイテムの魅力です。
カジュアルなカテゴリアイテムであるジーンズを、光沢がありフォーマル感が強くなるサテン生地で作った面白いアイテムです。ただ、光沢がありすぎるとフォーマルの印象が強くなり、使いどころが難しくなってしまいます。おそらく街着としての着用シーンや用途を考え、あえて光沢を抑えてシックな印象を持つようにしているのでしょう。

(左が記事で紹介しているサテン生地/右はユニクロのチノ素材。サテン生地の方が深い陰影が生まれる)
生地は厚すぎず、薄すぎず。オールシーズンを想定した作りのようです。またスキニーフィットとありますが、あえてワンサイズ落とすようなことをしなければ細身すぎることはなく、EZYの名の通り履き心地も優しく、夏でも着用できます。
クリーニングとカラー展開

クリーニングの取り扱いは「洗濯機・ネット使用」となっています。筆者もその通り、ネットに入れて水洗いしたところ、特に縮むようなことも艶が損なわれるようなこともなく、問題ありませんでした。ただ、乾かした後は全体的に軽くシワ感が残ります。そのまま着用してもヘンということはありませんが、サテン生地を使っているというアイテムの魅力を十分に活かすためには、軽くアイロンがけをした方がベター。
EZYジーンズシリーズのため、inchではなく、S/M/Lといったサイズ区切り(XS~4XLまで)のサイズ展開。
カラー展開は現在、オリーブの一色のみとなっています。オリーブカラーといえばミリタリーテイストのアイテムに使われています。そのため、カジュアルイメージが強くなることもありますが、こちらは前述のとおり生地感のシックさがあるため使いやすいアイテムになっています。
ただ生地感が面白いのに、カラー展開がこれだけなのは寂しいところ。ぜひほかのカラーも出してほしい。そして、起毛させずの艶感が強いタイプなどのバリエーションもほしいところです……が、いろいろ要望が出てくるのはこのアイテムが良品であるからこそ。価格は2990円(+税)。ベーシックから外れた素材感で面白くありながらも奇抜ではなく、使いやすいアイテムとしてオススメできます。
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