ユニクロのキャンバストート「SPRZ NYバッグ」は大容量で使いやすい

「大人っぽさ」を意識してコーディネートを組んだつもりが、ドレスに偏り過ぎて“キメ過ぎ”感が出てしまうことがあります。そんな時にバランスをとるのに便利な小物がキャンバストートバッグ。

そこで今回は、ユニクロの「SPRZ NYバッグ(ティモシー・グッドマン)」をご紹介します。超大型店とネット通販限定の、デザインと機能の両面に優れた逸品です。
※ドレスとは? こちらをご参照くださいhttp://www.neqwsnet-japan.info/?p=1810

素敵なメッセージをきちんと活かしたデザイン

今回ご紹介するのは、ユニクロが展開する「SPRZ NY」というシリーズのバッグです。このシリーズは「優れたアートを身近な服やアイテムで楽しむ」というコンセプトのもと、世界最高峰の近代・現代美術コレクションを誇る、ニューヨーク近代美術館MoMAとのコラボがテーマになっています。

世界的に著名なアーティストのデザインをモチーフにするこのシリーズ。今回ご紹介するバッグの場合は、ニューヨークを拠点として世界的に活躍しているデザイナー、ティモシー・グッドマンの言葉がモチーフになっています。

「愛なんて探してないでピザを探そうぜ」という、“LOVE”と“PIZZA”を対置させるユーモアに富んだメッセージが、バッグの表側いっぱいに、リズミカルに配されています。なお、文字はインクジェットプリント。摩擦等により色が薄まる可能性はありますが、ペリペリと剥離する、といったことはありません。

裏返すとこんな感じです。

チーズのとろけるピザのグラフィックがあしらわれていてキュートな印象。片面だけしかデザインのないアイテムは、持ち歩く時に常に表側が人に見えるように意識しておかなければなりません。しかしこのバッグの場合は表側の文字のデザインと裏側のピザのデザイン、いずれが人に見えてもOKです。

そして何より、単に“カッコよさげな言葉”をプリントしただけではない、という点がお見事です。その言葉の一部をイラストとして裏面に入れ込むこの“遊び心”が、バッグ全体の完成度をグッと引き上げています。もちろん、このイラストもティモシー・グッドマン本人が手掛けたもの。

ちょっとした細部の作り込みで大きく向上している利便性

キャンバストートバッグは、コーディネートの観点からは気軽に“ハズし”感を採り入れることができる点で使い勝手のよいアイテムです。しかし一方で、作りがシンプルであるがゆえに、バッグとしての使い勝手はイマイチであることが多いのです。

その点で、このバッグは細部におけるちょっとした作り込みによって、キャンバストートバッグの機能性の不足を、解消とまでは言わずとも、大幅に補っています。そのひとつが、「肩掛け用のショルダーベルト」と「手持ち用のハンドル」の両方が用意されている点。

肩掛けのみに対応したものだと、上着との摩擦を避けるべく手持ちにした時に底を引きずってしまいます。一方で手持ち用のハンドルだけだと、バッグの中の荷物が多い時に持ちにくいものです。

ショルダーベルトの裏側はポリエステル100%。若干ではありますが滑りにくい質感に仕立てられていて、肩掛けしてもずり落ちにくくなっています。筆者は“なで肩”なので、「肩掛けしたバッグが滑り落ちてしまう」ことでストレスを感じることが多いので、こうした配慮のある作りはありがたいところです。なお、ショルダーベルトの長さは44~80cmで調節可能。

手持ち用のハンドルも、生地が2つ折になっていて、つかみやすくなっています。

(参考:2つ折になっていない別アイテムのハンドル)

このように、2つ折になっていないと持ちにくい上に、握った後にシワになって見映えを損ないがちなのです。

バッグの口のところには、スナップボタンがひとつついています。口が開きっぱなしになると、財布など貴重品を入れておくのに心もとないものです。

また、バッグの中に荷物があまり入っていない場合、口が開きっぱなしだと、でろんと広がってだらしない印象になってしまいます。それがボタンを留めるだけで、バッグの上辺がきれいに整った見え方になります。

内側には小さなポケット。筆者実測で幅17cm×深さ18cm(最深部)。ここにもスナップボタンがついており、長財布は難しいですが、パスケースや小銭入れといった小物は収納可能です。

「ただ入れるだけ」という無骨な作りのものが多いキャンバストートバッグ。バッグインバッグを自前で用意する手もありますが、こうした機能がひとつあるだけでとても助かるというものです。

大容量で買い物にも便利

このバッグはかなりの大容量です。「財布とケータイ以外に持つものなどない」という方にはオーバースペックかもしれませんが、何かと荷物が多くなりがちな筆者にとっては、この容量はありがたい限りです。

大容量のポイントは底面のマチ。このバッグ自体、公式情報では縦40cm×幅30cm(底の最も短いところ)と、数字的にもパッと見の印象もそこまで大きくはありません。しかし、この14cmのマチがあることが、収容力を増強しています。

「雑誌を入れたい、モバイルバッテリーも入れたい、冬に電車の中などで暑くなったらマフラーも入れてしまいたい、買い物の収穫も放り込みたい」という筆者の希望を見事にかなえてくれます。

繰り返しになりますが、モノが入っていなくても、上部のスナップボタンを留めればだらしなく広がることはありません。大は小を兼ねる、ということで、大きくても扱いに困らない作りです。

キャンバス生地のためケアはご注意を

このバッグの素材は、再三書いてきた通り、キャンバス生地。「帆布」とも呼ばれる、平織りされた厚手の布です。素材は綿100%。

綿100%で厚手の生地だからこそ、ひとたび洗濯してしまうと、微細なシワが入り、修復不能なほどの型崩れが起きてしまいます。洗濯表示タグを見ても「全て禁止」となっています。しかし、綿100%のナチュラルカラーの生地は汚れやすいのです。実際に筆者は使用1日目にして汚してしまいました。

(ロゴの下に黒い線のように入っているのが汚れです)

そんな筆者の反省を込めてお伝えするのですが、使用前にまず防水スプレーをしておくことをオススメします。そしてこのように汚れてしまった場合、本稿の論旨と外れますので詳述は控えますが、石鹸と濡らした布を使って「汚れをぬぐう」ように除去するのが良いようです。

ケアに際して重要なことは、「シワがつく」「型が崩れる」ことを避ける、という意識をもつことです。ただ、そもそもこのバッグは1990円(+税)。デザインと機能を考えれば「格安」と申し上げて差支えないかと思います。「どうしようもなく汚れたら買い替えればいい」と割り切るくらい気軽に、ガシガシ使いましょう。

EQ03

この記事を書いた人

EQ03

身長178cm 体重64kg 靴27.0cm

洋服を“食”と共に、「コミュニケーションを最適化するためのツール」と位置付けています。物産展マニア。国内外を問わず、地域・人に根差した物語性のあるモノ・コトに惹かれます。コーディネートはワイルドよりもきれいめを。