ユニクロで毎年春に向けてリリースされる、コットン素材のセーター。2020年春にリリースされたバージョンでは、生地感がさらに進化して、使い勝手の良さが向上しています。春はもちろんのこと、夏から秋にかけても使いどころのある、ワードローブに加えて損のない逸品なのです。
定番の中にもひと工夫されたデザイン
商品名の通り、ボーダー柄のクルーネックセーターです。ボーダーは基本的にカジュアルな柄ですが、その中でもラインの細さや幅次第で、より大人っぽい印象にも子供っぽい印象にもなります。
ラインが太かったり、幅がラインごとにランダムな、不規則な開き方になったりしていると、より子供っぽさが強調されます。その点、このセーターは細いラインが整然と並んでいる点に加え、人の視線を集めやすい首回りの部分まで柄が入っていないこともあり、カジュアルながらも大人っぽい印象のあるデザインと言えます。
ちなみにこのセーター、大人っぽい印象を崩すことなく、袖の部分のデザインにちょっとした工夫があります。胴の部分のボーダーの柄が、そのまま袖まで伸びているのです。一般的なボーダー柄のアイテムの場合、胴と袖のボーダーの柄はそれぞれ切り離されているもの。
しかしこのセーターの柄は胴と袖のボーダーがつながっており、一体感のあるデザインになっているのです。ネット検索等で、一般的なボーダー柄のTシャツ等と見比べていただければ、おわかりいただけるかと思います。
ちなみにこのセーター、普通に着用するだけでなく、肩掛けに使うのに便利です。特に都市部の夏は、外出先で冷房の効きすぎるところに出くわす機会が多く、半袖のTシャツ1枚で出かけるのはリスキー。
そんな時に、このセーターを肩掛けしておけば安心です。前も後ろも同じデザインなので、一々確認する必要がありませんし、袖が細くて摩擦係数が高めの生地なので、軽く結んでおけばそうそう落ちることもありません。
身幅だけに若干の余裕を持たせたシルエット
このセーターは、いわゆるリラックスシルエットを前提とした作りではありません。肩幅も標準的なサイズ感ですし、袖も裾もリラックス感のあるシルエットよりも、タイトに絞ることで保温性という機能面を重視した作りになっています。
しかしそれでも、セーターと言うことで中にシャツなどを入れることを前提としているためか、身幅だけは若干ゆったりしており、着膨れしないように配慮されています。首元、袖先、裾の部分が締まっており、傍目にはゆったりな印象はないかもしれないですが、後述する生地の肌当たりの良さも含め、着心地は良好です。
なお、セーターはシャツよりも1サイズアップして着るのがオススメとされています。筆者はユニクロのシャツがMサイズでジャストフィットなので、このセーターはLサイズを選びました。
ただ、近年のトレンドとなっているリラックスしたサイズ感に慣れてしまった身としては、XLサイズでも良かったかな、と思っています。
アームホールは割と細めです。とは言え、生地に伸縮性があるために窮屈感はまるでありません。袖口のリブもかなり強めではありますが、この部分もよく伸びますし、袖まくりもしやすい作りです。
カジュアルなデザインのセーターがダボっとしたシルエットになっていると、アイテムとしての印象はかなり子供っぽくなってしまうものですが、このセーターは腕周りのタイトな印象により、大人っぽいシルエットになっています。
裾のリブは若干強めです。とは言え、体を締め付けるようなストレスは全然ありません。ただ、着用して過ごしているとリブの部分が多少ではありますが、ずり上がって不格好になることがあります。それを回避するコツは、大きめのサイズを選ぶことです。
コットンでありながらツヤのある上質な生地感
このセーターの素材は、スーピマコットン100％。スーピマコットンは、今ではユニクロでは定番と言えるくらいなじみになっているものの、本来は高級アパレルブランドで使用されるような「スーピマコットン」というツヤ感に定評のある上質なもの。
それを「12ゲージ」というハイゲージで編み上げることで、大人っぽい印象をより強めています。「ゲージ」とは、編み目の細かさを示す指標で、12以上のものを「ハイゲージ」と呼びます。数字が大きいほど細やかな編み目になっています。
編み目が細いと、生地自体の厚みが薄くなりますが、それでも目が細かい分、保温性は高くなります。そしてまた、編み目が細かいということは、肌当たりが心地よくなることを意味しています。
編み目の荒いウールのニットだと、直接肌に当たるとチクチクしてしまうものですが、このセーターはコットン生地でハイゲージと言うことで、肌に直接当たっても全くストレスがありません。
ただ、肌に直接触れると、コットンであるが故に汚れが付着しやすくなります。また、ニットであるが故に、汚れが編み目に入り込んでしまうことで、取り除きづらい、という難点もあります。
ケアに際しては、普通に洗濯機で洗えばOK。ただし摩擦で生地が痛むのを防ぐためにも、裏返してネットに入れて干すようにしたいところです。そして干す際には、ニットであるが故に首回りが伸びやすい点に注意しましょう。
首回りがだらしなく伸びたセーターは致命的に不格好なので、生地に食い込むような細いハンガーではなく、型崩れしづらい太くて大きめのハンガーを選びたいところです。なお、しっかりシワを伸ばして干せば、アイロン不要でそのまま着用可能です。
カラバリはベーシックな2色展開
このセーターのカラバリは、ユニクロ表記で「01 OFF WHITE」と「69 NAVY」の2色展開。いずれもボーダー柄のアイテムとしてはベーシックな、見慣れた配色です。価格は1990円（＋税）。
本記事を執筆している2020年5月30日現在、オンラインストアでは、2色とも全サイズ欠品しています。しかし実店舗では、オンラインストアのみの取り扱いであるXS・XXL・3XL・4XL以外のサイズが結構残っているところもあります。見つけられたら、お早めの購入をオススメします。
