ユニクロ「辻利」コラボのUTはオンライン飲み会でも活躍する秀逸なTシャツ

様々な企業やキャラクター、アート等とコラボしているユニクロのTシャツブランド「UT」。ファンにとってはたまらないアイテムもある一方で、どうしてもファングッズ的な側面が強いデザインが多く、一部のアートとのコラボものを除けば、オシャレの観点からは難しいアイテムが多いのが実情です。

そんな中で、今回ご紹介するのは企業コラボもので、しかもレディスのアイテム。しかしこれが、新型コロナウイルスがきっかけで花開いたオンライン飲み会にももってこいの、秀逸なTシャツなのです。

使い方次第で実に気の利いたデザイン

このTシャツは「辻利」とのコラボアイテム。辻利と言えば、奈良県に本店を構え、京都や東京の銀座にも店舗を展開しているお茶の老舗です。種類豊富な抹茶スイーツを展開しており、国内外の女性から高い支持を得ています。

胸に入っているのはアルファベットの「TSUJIRI」の文字。よくよく見ると、「U」の中に「辻利」と漢字で書かれているものの、ぱっと見ですぐにはわかりません。なので、柔らかな書体で書かれたアルファベットのロゴTのように見えます。

抹茶ラテを思わせる柔らかなグリーンの地に、白のペンキでハンドペイントされたような「TSUJIRI」の書体には、なんとも言えない温もりがあり、ただのロゴTとは一線を画すデザイン性があります。

ジャケットなど羽織を上に着れば、「TSUJIRI」の文字の両端が隠れることで、意味を失い、「胸元に白文字でデザインが利いているな」という程度の印象になります。オンライン飲み会のように上半身しか見えないコミュニケーションの機会に、こうしたアイテムは会話のきっかけとしても便利。

「辻利」はかなり有名なお店なので、よほど京都に興味がない、またはよほど甘味に興味がない女性でもない限りは、「それ知ってる!」とか、少なくとも「聞いたことある!」となる可能性が高いのではないかと筆者は推測します。ちなみに筆者の周りの女性5人程度に訊いた限り、全員知っていました。

一方で、背中側に目を転じると、途端にファニーな印象が強くなります。「茶」のロゴマークの両サイドには「kyoto」と「japan」、そしてロゴマークの下には「MATCHA」の文字。外国人向けのお土産のようになってしまいます。

基本的に、ジャケットでもカーディガンでもシャツでもいいので、何かの羽織と合わせることを前提に着用することがオススメです。筆者は体型が細身なこともあり、オーバーサイズのシルエットであっても、Tシャツを1枚で着ることは滅多にありません。

筆者の周りにもそういうタイプの友人が何人かいるのですが、このTシャツはそういう方に特にオススメのアイテムです。

オシャレとリラックス感を両立したシルエット

このTシャツは、商品の正式名称にも記載されている通り、かなりの「オーバーサイズ」に作られています。ユニクロではメンズのオーバーサイズの商品は少なめなのですが、それに対してレディスのオーバーサイズは数多く展開されています。

そしてレディスのオーバーサイズのアイテムは、総じて身幅がかなり大きく、それでいて袖や着丈が短め、という傾向があります。このTシャツもまさにそうです。身長178cm、体重64kgの筆者が選んだのは最大の3XLサイズ。

身幅が63cmもあるのに対して、着丈は64.5cmしかありません。形としては、本稿の最上部に掲載した写真の通り、ほぼ正方形のような縦横比です。そのため写真単体で見るとかなり不格好に見えるかもしれませんが、しかし実際に袖を通してみると、印象はがらりと変わります。

袖はかなり短めですが、肩幅が3XLサイズで50.5cmと、やや広めなこともあり、「程よく肩が落ちる」程度になっています。写真でもわかる通り、袖先自体はかなり広いのですが、ヒジより上程度の長さなので、だるんとした印象にはなっていません。

同様に、身幅は確かに大きいのですが、着丈が短いため、こちらもルーズな印象がありません。筆者の場合、スラックスのポケットが半分ほど隠れる程度の、程よい長さです。

そして上半身が細身の筆者だから特に感じるのかもしれませんが、レディスの“オーバーサイズフィット”のアイテムで、身幅も広くなっているため、生地と身体の接点が少なく、裾に向かってふわっと広がっています。

そのため、着用時のわずらわしさが少なく、涼やかな着心地になっているのです。実のところ袖が大きく開いていることもあって風の通りが良く、1枚で着ていると「スースーする」と感じるほどです。

なかなかない色味の生地は脇汗に注意

生地はコットン100%。特にツヤ感があるということはないのですが、逆にガサっとした印象もなく、柔らかな触感です。そして何より上述の通り、抹茶ラテのような色味がとても魅力的。

ミリタリーらしさを想起させるような無骨なカーキでもなく、どこかチープさのあるグリーンでもない、独特の上品さがあります。実のところ、筆者がこのアイテムで最初に惹かれたのは色でした。

ただ、生地に何らかの加工が施されているわけではないこのTシャツ、脇汗などで濡れてしまうと、一気に色が変わってしまいます。

試しに、脇の内側から何度か霧吹きをプッシュしたところ、写真の通りすっかり色が変わってしまいました。(筆者の汗ではないことを強調するために、使用した霧吹きも一緒に撮影しています)

たとえエアリズムのような薄手のインナーを中に入れても、きっとすぐに“貫通”して同様の汗染みになってしまうと思われるので、筆者としては上述の通り、何か羽織と合わせての着用を推奨したいところです。

ケアに際しては、普通に洗濯機で洗ってしまえばOK。ただ、脱水を強めにしてしまうと、コットン100%と言うことで結構シワは残ってしまいます。そこで試しに、夜に脱水を弱めで洗濯して外干ししたところ、ひと晩で完全に乾きました。

袖も裾も大きく開いているため、風通しが良くて乾きが良いようです。よくよく見ると細かいシワはありますが、遠目には気にならない程度です。アイロンですぐに直る程度のシワですが、筆者は無精なので極力アイロンを使いたくないと思っています。ご参考になれば幸いです。

上品な抹茶ラテカラーの1色のみ

http://urx.red/1V7y

このTシャツのカラーはユニクロ表記で「51 GREEN」一択。990円(+税)とリーズナブルなので、気軽に試されてみてはいかがでしょうか。なお、発売直後に全サイズが欠品となる人気ぶりを発揮したこのTシャツ。

その後、各サイズ補充されては、またサイズがどんどん欠けていって、と繰り返していました。そして筆者が本稿を執筆している2020年5月28日現在、オンラインストアには全サイズがそろっている状況です。

欠品になってもまた補充されるのかもしれませんが、気になるようであればお早めの注文をオススメします。

EQ03

この記事を書いた人

EQ03

身長178cm 体重64kg 靴27.0cm

洋服を“食”と共に、「コミュニケーションを最適化するためのツール」と位置付けています。物産展マニア。国内外を問わず、地域・人に根差した物語性のあるモノ・コトに惹かれます。コーディネートはワイルドよりもきれいめを。