ツイードのコートと聞くと、「高そう」、「歳を重ねないと似合わない」といったイメージがあるかもしれません。筆者も今の自分には似合わないと思っていたのですが、ユニクロレディースのツイードニットコートは、男女ともに着られる逸品だったのでご紹介いたします。
そもそもツイードとは?
ツイードは、イギリスやスコットランドが発祥の太く短い羊の毛を使用した「紡毛糸」で織られ、表面が粗い質感の毛織物のことです。紡毛糸は繊維があちこち向くことでツヤは出ないものの中に空気がたくさん入ることで、軽くて暖かい糸になります。暖かく防寒性が高いことから、秋冬の素材として代表的な存在です。高級感のある冬用のコートやジャケット地として使われます。
▲ツイード生地
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%84%E3%82%A4%E3%83%BC%E3%83%89
近年ではハリスツイードを使用した商品が人気を博しているため、ハリスツイードという名でツイード生地を目にする方も多いのではないでしょうか。
(ハリスツイード認証ラベル)https://gqjapan.jp/life/business/20170111/brand-management-the-case-of-harris-tweed
素材・生地感は?
まず、前提としてこの商品はツイードと称しているものの、アクリル53%、ナイロン26%、綿14%、毛7%なのでウールの含有率は7%しかりません。正確には、アクリル素材を中心としたツイードのように見えるツイードライクなコートなのです。しかしながら複数の色の糸で織り込まれているため生地も厚く、これだけ近づいて見ても一見ウールにしか見えません。
それゆえに安価な素材ではありがちなペラペラした質感もなく、むしろ織り込まれた生地がツイード生地特有の表情を生み出し、高見えする高級感を感じさせます。

筆者の主観ではありますがこのツイードライクな生地の表情が今期のトレンドアイテムと言えるボアフリースやチェックアイテム同様にコーディネートに変化を与える事ができると考えています。
アクリル素材はご存知の通り、冬物のニットに用いられることが多い合成繊維です。もともと羊毛に似せて安価に生産することを目的としている素材のため保温性、風合いはウールにひけを取りません。加えて自宅での手洗いも可能なためケアが簡単、ウールの天敵である虫がつかない事も利点です。
このコートも例外なくアクリル特有のふんわりとした風合いと滑らかな肌触りが特徴です。その一方で筆者はまだ体感した事はありませんが静電気が発生しやすく、毛玉もできやすいと言われております。次に裏地を見ていきましょう。

こちら保温性は高いものの裏地はありません。そのため生地のふわふわとした触感と肌触りを直に体感できます。重量も軽いため気軽にカーディガン代わりにさらっと羽織る事ができるでしょう。
デザイン・シルエットは?
デザインについてはレディースのコートという事もありますが特徴的な部分はやはり首の部分。襟の部分はノーカラーです。

ボタンは生地の色に馴染むプラスチック製のブラックで主張もないだけにデザインとして特筆すべきものはありません。首元に1つ、お腹の周りに1つと最小限に抑えられています。実際にボタンを留めて着用すると、男性がこういったノーカラーのジャケットを着用している姿を街中で目にしないためか少し違和感がありました。

そこで胸元のボタンを留めずにただ羽織ると、印象としては先ほどの女性的な印象が緩和され、どことなく襟元を開くとチェスターコートさながらのルックスに、もしくはラペル付きのロングカーディガンのように見えます。肩幅はアームホール共に若干ゆとりがありますがシルエットはスッキリしており、もたつく事なく腕を動かすことができます。

なお、シルエットは細身ではあるものの、決して着用の際に窮屈な印象はなく、筆者は身長162cm、体重53kgですがレディースのSサイズを着用することが可能でした。夫婦やカップルで体格差が大きくなければ兼用することも可能です。
冬の気温が低い日はインナーにダウンなどを着用する事を想定し、調整できるくらいのゆとりは残しておくのが得策でしょう。単体で着るのはもちろんのこと、インナーにダウンを合わせる事で秋口から真冬、春先までを見越してロングシーズン使用できるカーディガン兼コートとして間違いなく活躍いたします。
カラー展開は?
カラー展開はグレー、ネイビー、ブラウンの3色展開です。筆者は実際に店頭で全色試着しましたが男性の着用にはネイビーをオススメいたします。理由は2つあります。1つ目は多くのメンズのコーデに違和感なく取り入れやすいカラーということです。グレーやブラウンはフェミンな印象なので、男性が着ると、違和感がありました。
もう1つの理由はツイードライクな素材感が目立ちにくいということ。ダークトーンであるネイビーは間近で見ても気にならなかったのですが、グレーやブラウンは色調が明るいため生地の質感が目立ちます。それゆえ近くで見るとウール同等のツイード生地として捉えるには少々おぼつかないで印象です。
とにかくコストパフォーマンスがよく、高級感があり、初秋から春先まで着こなし次第で使用できる汎用性の高さがあります。価格は3990(+税)、同じくユニクロのコートと名称のつくアウター類の中でも屈指の安さです。カラーバリエーションはグレー、ネイビー、ブラウンの3色、サイズ展開はS,M,L,XLの4種類となっています。
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