2017秋冬ユニクロUのメンズマストバイ!ブロックテックモッズコートを徹底レビュー!

先日発売された2017秋冬のユニクロUコレクション第二弾。アウターなども本格的にリリースされ、いよいよ今シーズンのユニクロUの全貌が見えてきたように感じます。コートも3種類リリースされましたが、どれも完成度が高かったですね。そのアウターの中でも特にオススメなのが「ブロックテックモッズコート」。

元々かなり注目を集めていたアイテムですが、その期待を裏切らない出来で、「マストバイ」アウターと言ってもよいでしょう。気に入ってすぐに購入を決め、昨日は1日中これを着てぶらぶらしていました。

そのおかげで、思わぬアクシデント(?)により、その機能性もバッチリ試すことができたので、その魅力を余すことなく伝えていきたいと思います。

「モッズコート」とは何か? ファッションにおけるルーツ

まずは最初に、「モッズコートとは何か?」について、この後の解説に必要となってくる知識を述べます。今回は記事のボリュームが大きくなりそうな気がするので、なるべく簡潔に。

「モッズコート」は、正式には「M-51 フィールドパーカー」という名称のアイテム。今では「ミリタリーコート」というざっくりした意味で使われることもありますが、本来はミリタリーコートの中でも、一つの型番を指します。

元々ミリタリーアイテムですから、当然オシャレのために生まれてきたわけではありません。ファッションアイテムとして使用されるようになったのは60年代。当時のイギリスの若者の間で大流行したサブカルチャー、「モッズ」が発祥です。

英国スーツの上に、この「モッズコート」を羽織る。戦後復興期のイギリスにおいて、何とか自分たちのアイデンティティを確立しようとした当時の若者たちによって、このスタイルは生まれました。

伝統的な社会的区分を破壊するために、当時は上流階級の人々のものであったスーツを仕立て、それを汚さないようにとモッズコートを羽織ったのです。ミリタリーアイテムなので比較的安値で入手できた、という理由もあるようです。

古い映画ですが、「さらば青春の光」でモッズ達が皆モッズコートを着ているシーンなどを思い浮かぶ方もいるかもしれません。今は「SEKAI NO OWARI」のイメージの方が強いでしょうか。このようにして、「モッズコート」はファッションシーンに受け入れられました。

リラックス感ある、オーバーサイズのシルエット

さて、いよいよレビューに入ります。まずはシルエットについて。先ほど説明したような背景があるアイテムですから、中に着込めるように、元々サイズは大きいのですが……。実物を見た方はお分かりでしょう。かなりのビッグシルエットなのです。

着丈は長く、身幅や袖も太い。かなりのオーバーサイズです。ある程度ゆったりしているモッズコートですが、それでも肩幅はジャストで作られており、それによってスッキリした印象になります。ですが、これはさらにリラックス感あるドロップショルダー。

ビッグシルエットですが、シルエット自体は綺麗ですね。裾に向かうにつれて広がっていきます。丸っこいので、Aラインというか、バルーンシルエットと表現したほうがいいかもしれません。

「カジュアルなモッズコートを、さらに崩したら着にくいんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、後述する「生地」や「色」が工夫されているので、ある程度バランスが取れています。それでもサイズが大きいのは否めませんが……。

実はこのモッズコート、ユニクロUのデザイナーであるクリストフ・ルメール自身のブランド「LEMAIRE」でも、2017-2018秋冬コレクションにて、似たようなものが見られます。

(http://www.lemaire.fr/wp-content/uploads/2017/01/lemaire-men-ah1718_34.jpg)

今回のユニクロUのモッズコートと同じく、ドロップショルダーのゆったりしたシルエット。オーバーサイズながらも、クリーンな印象に仕上げているところにルメールらしさを感じますね。実物を見たわけではないのでハッキリとは分かりませんが、ユニクロUよりはサイズは抑えられているように見えます。

サイズ感に注意!! 細身パンツと合わせてYラインを構築しよう

何度も言いますが、サイズ感は本当に大きいので注意が必要です。普段アウターはMサイズでジャストな私で、Sサイズでもかなりのオーバーサイズ。着丈も、Sサイズで膝上丈、Mサイズでギリギリ膝上丈、Lサイズで膝丈、となかなかロング丈になっていました。

私が選んだのはSサイズ。Mサイズでも、ビッグシルエットのアウターとして見れば、おかしくないですが、やはりかなり大きいですね。私は元々、極端すぎるトレンドはあまり好きではないので、サイズを一つ下げました。

それでも十分にビッグシルエットなので、大抵の方は満足できるでしょう。むしろ、頼むから全体的にサイズ下げてくれ、と言いたいくらいです。現状では、私より小柄な方は更にオーバーサイズ気味に着るしかないわけで。オンラインストアには「XL」や「XXL」などが販売されていますが、一体誰が着るというのでしょうか。

ちなみにSサイズの寸法は実寸で、着丈101cm、肩幅57cm、身幅63cm、袖丈54cmになります。かなり余裕があるので、サイズを落としても、中に十分アウターなどを着込むことができます。

着こなしとしては、細身のパンツと合わせて「Yラインシルエット」を構築するのがオススメです。上半身にボリュームがあり、下半身はボリュームが少ない、というのがYライン。このサイズ感ですから、上半身のボリュームは問題ありません。

ただし、フロントのジップを開けた時と閉めた時で、少しボリューム感が変わってくるので注意です。どちらで着るシチュエーションが多いのかを考えて、サイズを選ぶことも重要ですね。

例えば私ですと、基本はフロントを開けて着ると思いますが、閉めて着る場合はもう少しボリュームが欲しいので、ストールなどを巻いてカバーする予定です。

また、合わせるアイテムは「Tシャツ」や「デニム」より、「シャツ」や「スラックス」といった綺麗目な物のほうが良いでしょう。もちろん、カジュアル過ぎないようにする、といった意味合いもあるのですが、実はこれが正統な着こなしなのです。

最初に説明させていただいた通り、モッズコートはファッションにおいて、仕立てたスーツの上に羽織る、というのがルーツ。ですので、そもそもドレスなアイテムと合わせるのが自然なわけです。

トレンド的には今後、ストリートからドレスへと変化していくと言われています。そういった視点から見ても、ここでモッズコートを打ち出したのはベストなタイミングと言えるかもしれません。これからセットアップなどもますます増えていくと思われますが、それらとも相性が良いのです。

次に、シルエットを少し「変形」できるギミックがいくつか搭載されているので、それを見ていきましょう。

袖を絞ればスッキリした印象に! フードやウエスト、裾のドローコードの役割とは?

見ての通り、袖もかなり太く作られているのですが、左右にそれぞれ一つずつボタンが付けられており、これで袖を絞ることができます。この「袖先」が太いか細いか、というのは重要なことで、これが見た目の印象を大きく左右します。

全体的にゆったりしたサイズ感のトップスでも、「袖先」さえ細くすれば、全体的にスッキリした印象になるのです。シャツの袖をまくり、細い「手首」を見せるのも、これと同じ原理です。

今回のモッズコートもかなりのオーバーサイズですが、このようにボタンを留めて袖を絞ることにより、スッキリとした印象になります。たったこれだけのことですが、本当に変化が大きいので、ご試着の際はぜひお試しください。

また、ボタンはなかなか大きいのですが、安っぽくありません。マットなヴィンテージっぽい風合いですね。

ジップやスナップボタンも、なかなか頑張っています。ミリタリー調のアイテムに光沢の強いピカピカな金具を使ってしまうと、「違和感」があるものですが、これは少しくすんだような色になっており、雰囲気がマッチしていますね。

ウエストにはドローコードがあります。これを引っ張って結ぶことで、ウエストを絞ることができるのです。

ウエストを絞るとこのようにAラインが強調され、また違った着こなしが楽しめますね。当然、ボリューム感が変わってくるので、その辺りはコーディネートの調整が必要です。

ドローコードはフード部分にもあります。フードはこの通り、ある程度大きめに作られています。もちろん雨や防寒対策として頭にかぶることができ、コードを引っ張ることでフィット感を変えることができます。

フードをかぶっていない状態では、見た目にほとんど変化はありませんが、少しクシャッとなっているのがわかると思います。

また、このフードはあまり立ち上がらず、ヘニャっと寝てしまっています。そのため、小顔効果などはあまりないですね。首元が寂しくなりがちなので、そう感じた場合はストールやマフラーを巻いてあげると解消できます。公式WEBの着用画像では、タートルネックのセーターを合わせていますね。

最もモッズコートらしいディテールといえばこれでしょう。裾が真ん中で割れている「フィッシュテール」。後ろから見た裾が、魚の尾のように見えることから名付けられました。かなり特徴的なので、「モッズコート」と呼ばれる以前は「フィッシュテールコート」という呼び名が定番だったようです。

真ん中の裂け目からドローコードが垂れ下がっているのがわかると思いますが、これはフロントの裾にも付いており、足の内側を通してそれぞれ結ぶことで、裾を固定することができます。

元々はミッション中に、裾がバタつかないようにするための機能的なディテールですね。今ではほとんど飾りですが、このドローコードを結びやすくするために、裾はこのような特殊な形に作られています。

また、裾にはスナップボタンがあり、ボタンを止めることによって、後ろ側の裾が水平になります。これは本来、ドローコードを結ばない時に、長い裾が邪魔にならないようにコンパクトにまとめるためのディテールです。ただし、ファッション的に使えるかと言われると、そこまでメリットがあるわけではないので微妙。

艶のあるコットン生地 機能性にも優れ、撥水性もバッチリ!

かなり長くなっていますが、ようやくここまで辿り着きました。このあとは「生地感」「撥水性」「カラーバリエーション」について述べて終わりです。

生地は綿100%の、コットンツイル。厚くはないですが、ハリがあり、シルエットが崩れにくい生地です。あまりザラザラしておらず、滑らかで艶感があります。決して安っぽくなく、少し綺麗目な印象です。

モッズコートには防寒対策として、中綿などのライナーが取り付けられていることも多いですが、これには付いていません。ですので、軽くサッと羽織るイメージですね。裏地は「ブロックテック」らしい機能的な生地になっており、風が入りにくく、汗などを外に逃がしたり、雨を弾いたりする効果があります。

また、縫い目には止水テープが施しており、ここから雨などが侵入してくることを防いでいます。薄いのでこれ自体には防寒性はあまりないですが、風や雨などをシャットアウトしてくれるので、インナーに保湿性の高いニットなどを組み合わせれば、かなり便利です。

撥水性についても見ていきましょう。冒頭でも書いたのですが、都内ではかなり雨が降り、偶然着ていたこのモッズコートが大活躍してくれました。一応傘は持っていたのですが、それでもかなり濡れるものですね。

帰宅してから水を垂らして撮影しようと思っていたのですが、結局雨は深夜まで続き、そのまま帰宅して着用したまま撮影しました。なので、リアルな雨粒です(笑)。

このように、水分が内部に入り込まず、表面に付着します。手でパパッと叩けば、すぐに雨粒を振り落とすことができます。普段これだけの量の雨が洋服に染み込んでいるのだと思うと恐ろしいですね。

ミリタリースペックのモッズコートの生地は、撥水性能を高めるために、平織りのコットンナイロン地になっており、これは初期型の「M-51 フィールドパーカー」と同様にコットン生地。しかし、ある程度はしっかりと弾いてくれますね。

ミリタリー感が抑えられた、絶妙なカラーバリエーション

カラーバリエーションも素晴らしいです。ミリタリーアイテムなので、普通は「カーキ」のような色で作りがち。もちろんそれが正統なのですが、どうしても土臭い印象にはなってしまうのです。

ですが、このアイテムは「黒」や「グレー」などといった色が展開されており、大人っぽい印象。定番の「カーキ」もあるのですが、よくあるミリタリー調の色味ではなく、ダークトーンでシックな雰囲気のカーキでした。

どの色も良いですが、特にオススメなのは「グレー」。上記の理由で「黒」のモッズコートを作るブランドは少なくないですが、「グレー」はほとんど見かけないですね。「LEMAIRE」のモッズコートでも、「グレー」は展開されていましたが、なかなか珍しいのです。

グレーと言っても様々な色味があるのですが、これはミディアムグレーくらいの濃度で、都会的でクリーンな印象のグレー。個人的にグレーは大好きな色でもあり、アウターでも何着も持っているのですが、良い色味のグレーだったのでつい買ってしまいました。

長くなりましたが、「ブロックテックモッズコート」のレビューは以上になります。価格は12900円(+税)。サイズ感には注意が必要ですが、完成度の高い、魅力あるアイテムに仕上がっています。ぜひチェックしてみてください。

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