2017年秋、世界のトップデザイナーとのコラボを続々と展開したユニクロ。中でも最も盛り上がりを見せたのは、今期で3度目となる「ユニクロＵ」です。
特徴的なデザインのアイテムに注目が集まる中、本稿では敢えてシンプルなカットソーを取り上げます。シンプルなアイテムにこそユニクロの強みが発揮されることを、あらためて思い知らされる逸品です。
トレンドを反映したリラックスシルエット
今期のユニクロUのアイテムは、総じてゆったり感のあるシルエットになっています。トレンドを意識していることがうかがえるラインナップ。
このクルーネックTも同様です。
肩の部分はドロップショルダーになっており、ゆったりと着ることを前提とした作りです。肩幅はSサイズでも45cm。筆者はこのゆったり感を強調するために、XLサイズを選択しました。XLサイズの肩幅は50cmです。
身幅もかなりたっぷりしています。Sサイズでも50cm。筆者が選択したXLサイズは60cmでした。それでも“ブカブカ感”がないのは、ひとえに後述するデザインによるものでしょう。
筆者は細身体型なもので、普通のロングTシャツを1枚で着ると貧相な印象になってしまいます。しかしこのカットソーであれば、自然と体型が隠せるため、1枚でも抵抗なく着られそうです。
なお、筆者と同様に細身の方だけでなく、ふくふくとした体型の方、腹回りが中年体型の方でも同様の成果が得られることでしょう。
余談ですが、この写真はユニクロのレギュラーアイテムとして販売されている「クルーネックT」のもの。生地感も異なりますが、そもそもシルエットが全く別物であることがおわかりいただけるかと思います。
実際に数字で見ても、XLサイズの場合、袖丈は同じですが、肩幅で4cm、身幅で3cmの違いがあります。同じユニクロの同名の商品でも、シルエットの違いでこうも印象が異なるものとは、おもしろいものです。
シルエットを機能的に活かしたデザイン
続いてこのカットソーのディテールについて、順番に見て行きましょう。上述のシルエットを形作る細部の妙を実感できます。
まず首回りです。「クルーネック」の名の通りのデザインではあるのですが、詰まった感じがありません。それは筆者がXLサイズを選んだためにゆるゆるしているだけ、ということではないようです。
こちらはユニクロの公式ウェブサイトの画像です。これは恐らく半袖のクルーネックTと合わせているのだと思いますが、元より首回りをすっきり見せるような作りにしてあるのです。
ただ、“ガバガバ”になっているわけではありません。1枚で着ても不自然のない見え方になります。
身丈はXLサイズで75cm。身長178cmの筆者の場合、内ももの付け根が隠れる程度で、ちょうどよい長さです。
裾には特にサイドスリットなどありませんが、身幅が60cmと十分大きいこともあり、ストンと下に落ちます。ここは腹回りのサイズにもよるかもしれませんが。
袖口はロングTシャツにしては珍しいリブ仕様。7.5cmと、やや長めです。ただ、リブ自体はキツくありません。手首周りではゆるっとしています。
しかし軽く腕まくりすれば程よいところで留まりますし、腕を下ろした際には親指の付け根で留まります。
ビッグシルエットではあるものの、だらしなく見えない点で、気の利いたデザインと言えます。
ラフな印象でありながら着心地の良い生地感
続いて生地感についてです。ユニクロのカットソーと言えば「スーピマコットン」に代表される、柔らかで心地よい触感のものが象徴的。そんなわけで、このカットソーを初めて手に取った時は意外に思われるかもしれません。ガサッとした、ラフな触感なのです。
商品タグの説明によると、「ヘビーウェイトのコットン100%の肉厚生地」とあります。確かに胴回りの生地がストンと落ちるのは、デザインだけでなく生地自体の重みによるところもありそうです。
しかし正直な筆者の実感では、「肉厚」というよりはかなり薄手ではないかと感じます。
そして触感がラフでも、不思議と着心地は良いです。ゆったりしていて、体に生地が密着しないからかもしれません。そして、このシルエットとこの生地感がまた合っているとも感じます。いかにも大人が日常的にざっくり着られるカットソー、といった趣があります。
続いてケアについてです。リブの部分は綿78%、ポリエステル22%ですが、基本的には綿100%。上述の通り「ヘビーウェイトコットン」ということで、ちょっとやそっとのことではヘタれそうにありません。
ガンガン洗ってOK、かと思いきや。洗濯に際してはネット使用推奨。乾燥機の使用はOKですが、干す際は陰干し推奨です。
意外と繊細でした。また、色については後述しますが、色のあるものについては色落ちのリスクが指摘されています。
落ち着いた色味の6色展開
このカットソーは、ユニクロ表記で「00 WHITE」「03 GRAY」「09 BLACK」「55 GREEN」「69 NAVY」「78 PURPLE」の6色展開。筆者が購入したのは「00 WHITE」です。生地にツヤ感がないため、どの色も落ち着いた印象です。
ベーシックカラーの「00 WHITE」「03 GRAY」「09 BLACK」については、複数枚買っておいても損はないでしょう。
また、「55 GREEN」「69 NAVY」「78 PURPLE」はこれからの季節、暖かい部屋の中であれば1枚で室内着として成立しそうです。
ちなみに10月12日現在、公式ウェブサイトではBLACKとPURPLEのXXLサイズとGREENのLサイズが既に完売。今期のユニクロUのトップスはリラックスシルエットが多いため、XXLサイズが真っ先に欠品する傾向にあります。
10月の内に完売する可能性もあるため、気になっている方はお早めのご決断をオススメします。
価格は1990円（+税）。ユニクロの中で他のアイテムと比較すると、シンプルなTシャツにしては割高に見えてしまうかもしれません。しかし、このTシャツ単品を絶対的に評価すれば、この価格は破格と言うべきコストパフォーマンスの良さ。
特にユニクロUの派手なラインナップの中にあっては一見地味に見えてしまうアイテムですが、是非お手に取って、その価値を実感していただきたいところです。
ユニクロUまとめはこちら↓
