2017秋冬ユニクロUのメリノブレンドモックネックセーターはカットソー感覚で着られる隠れた逸品

ユニクロが世界のトップデザイナー、クリストフ・ルメール監修のもと展開している「ユニクロU」。2017年秋冬のいくつかのアイテムは9月に先行発売していましたが、10月6日、ついに主力アイテムがリリースされました。

全体的にゆったりしたシルエットが特徴的な今回のコレクション。その中から今回は、細部にまでこだわりを感じさせるルメールのデザインと、ハイクオリティな生地を高コスパで展開するユニクロの魅力が見事に融合したニットをご紹介します。

メリハリの利いた先端部分のデザイン

 

人の視線が集まる洋服の先端部分、つまり首、袖、裾。この3点について、このニットは派手さこそないものの、実に気の利いたデザインになっています。順番に見ていきましょう。

まずは首回りです。「モックネック」ということで、タートルネックほどではないですが、ネック部分に高さがあります。どのサイズでも共通の2.5cm。ネック部分は締め付けない程度に肌にフィットし、首元をピシッとした印象に見せます。そのため、全体のシルエットが後述の通りゆったりしているに関わらず、ルーズな印象がありません。

ちなみに「モックネック」と「ハイネック」はしばしば同じもの、と言われていますが、このたびのユニクロU2017秋冬コレクションでは別物であるという見解のようです。今回のユニクロUに限って言えば、「ハイネック」の方が、ネック部分が高くなっています。

続いて袖です。ニットの袖口は、冷気の侵入を防ぐためにリブになっているのが一般的です。しかしこのニットは袖口がリブになっておらず、カットソーのような仕様になっています。

リブがないと袖口がだらしなく見えてしまうリスクがありますが、その点、このニットはそもそも袖が短め。Lサイズで58.5cmです。身長178cmの筆者で、腕を下せば親指の付け根まできますが、例えばPCで作業している時、袖口はちょうど手首が隠れる程度の位置です。

続いて裾についてです。袖と同様、一般的なニットについているリブがこのニットにはありません。腹部で生地がたまることなく、ストンと下に落ちます。なお、身丈はLサイズで71.5cmと、取り立てて長くはありません。身長178cmの筆者がスラックスと合わせた際に、ポケットの上部8割が隠れる程度です。

特筆すべきはサイドスリット。カットソーのような、前後に6cmのスリットが入っており、上述の“ストンとした落ち感”をサポートしています。

身幅ゆったり腕まわりすっきりのきれいめシルエット

続いてシルエットについてです。冒頭でもご紹介しました通り、今季のユニクロUはトレンドを反映して、全体的にリラックスシルエット。このニットもご多分に漏れず、ではありますが、シルエットのゆったり度合いはアイテムによってかなり差異があります。

このニットは、著者が選んだLサイズで肩幅48.5cm、身幅54.5cm。体にピッタリするようなタイトさはありませんが、たっぷりしたリラックス感、というほどでもありません。実に程よいゆったり感です。

また、公式サイトでは「ドロップショルダー」を謳っていますが、体重64kgで細身の筆者でも、肩が少し落ちる程度です。そしてアームホールはかなり細め。タイトでクリーンな印象です。

そこでよりリラックス感を強調したい方には、通販限定のXLまたはXXLサイズをオススメします。

XLで着丈74.5cm、肩幅50.5cm、身幅58.5cm、袖丈60cm。XXLで着丈77.5cm、肩幅52.5cm、身幅62.5cm、袖丈61cmです。

実際に「強調したい」方は大勢いらっしゃるようで、ユニクロ公式サイトではこのアイテムのXXLサイズが圧倒的人気。2017年10月7日午前2時時点(発売開始から24時間足らず)で、BLACKは完売。その他の色も在庫僅少となっています。

 世界に誇る“エクストラファインメリノ”テイストの生地感

 

続いて生地について見てみる前に、ひとつおさらいです。ユニクロを代表するアイテムのひとつに「エクストラファインメリノウール」のハイゲージニットがあります。

ハイゲージニットとは、極細の糸を使い、目の詰まった編み目の多い薄手のニットのことで、大人っぽい印象になるものです。これを破格とも言うべき価格設定で展開できるのは、世界中を探してもユニクロしかありません。

さて、今回ご紹介するニットに使われている素材は、実のところ「エクストラファンメリノウール」ではないのですが、そのテイストに近しい、触感の心地よい生地です。今季のユニクロUのメンズ向けニットの中で、ハイゲージなのはこのアイテムのみ。

他はすべてミドルゲージニットで、厚みがあります。一概にハイゲージが良くてミドルゲージが悪い、ということではないですが、大人っぽいニットを求められる方には是非オススメのポイントです。

続いてケアについてです。上述の「エクストラファインメリノ」のセーターは洗濯機で気軽に洗えるのも大きな特徴です。その点、このニットは自宅で洗濯可能ではありますが、手洗いの必要があります。

また、ウール42%、アクリル42%、ナイロン16%と化繊混紡のため、毛玉のリスクが高い点も注意を要します。「バッグやベルトによる擦れなど、過度な摩擦には注意」という旨が指摘されています。

 発色の美しい4色展開。筆者は2色購入。

このニットは、ユニクロ表記で「01 OFF WHITE」「09 BLACK」「58 DARK GREEN」「68 BLUE」の4色展開。筆者がまず購入したのは「58 DARK GREEN」です。

http://urx.mobi/Gi95

この色選びは実に悩ましいところです。「OFF WHITE」と「BLACK」はベーシックな色ではありますが、上述の通りカットソーライクなデザインゆえに凡庸な印象はなく、逆に汎用性はとても高そうです。

ただ、単体で見た時に、「DARK GREEN」「BLUE」がとても魅力的なのです。「BLUE」は実際は「NAVY」と言うべき深みのある色でした。同じユニクロUの「オーバーサイズモックネックT」に近い印象です(参考記事http://urx.mobi/GiCQ

筆者は悩んだ末に、まず「DARK GREEN」をLサイズで購入し、その後「BLUE」のXXLサイズを通販で購入しました。筆者の個人的な買い物事情はさておき、1色に絞りきれないほどの色味の美しさを、是非現物を手に取ることでご確認いただきたいと思います。

なお、「DARK GREEN」の生地はよく見ると単色ではなく、赤や黄、といった様々な色が微細に散りばめられながら、引いてみるとオリーブともカーキとも違う、大人っぽいグリーンになっています。写真は光の関係で「日に焼けた」ように見えてしまっているかもしれませんが、実物はハイゲージの生地感と相まって、とても大人っぽい表情をしています。

カットソーのようなデザインと、トレンドを反映しながらもきれいめなシルエット、そして上質な生地感と色味。これらを2990円(+税)というリーズナブルな価格で実現しているこのニット。2017秋冬のユニクロUにおいて、主役級の派手な存在感はないかもしれませんが、名品と呼ぶべきアイテムのひとつと言えるでしょう。

ユニクロUまとめはこちら↓

【2017】ユニクロユー秋冬アイテムレビューまとめ【全25点】

2017.12.16

ユニクロコーディネート集はこちらから↓

【76選】ユニクロを使ったおすすめコーディネート集!【メンズ】

2018.07.16
EQ03

この記事を書いた人

EQ03

身長178cm 体重64kg 靴27.0cm

洋服を“食”と共に、「コミュニケーションを最適化するためのツール」と位置付けています。物産展マニア。国内外を問わず、地域・人に根差した物語性のあるモノ・コトに惹かれます。コーディネートはワイルドよりもきれいめを。