ユニクロU、2018年春夏のラインナップの中から、今回は男女兼用のサンダルについてご紹介します。一見すると、シンプルな作りのスポーツサンダル。
しかし試しに履いてみると、実によくできた作りであることを実感できるシロモノなのです。
無駄をそぎ落とし、利便性に特化したデザイン

今回ご紹介するサンダルは、いわゆるスポーツサンダル。つま先とかかとをストラップで固定することで、走っても脱げない作りになっている、アウトドアレジャー向きのサンダルです。

このサンダルの魅力は何と言ってもミニマルな作り。つまりデザインの中に“余計な要素”がありません。本来的に、サンダルは暑い季節に楽に履けるカジュアルなアイテムですが、グラフィックや形の遊びがない分、このサンダルはドレスなデザインであると言えます。
※ドレスとは? こちらをご参照ください。http://www.neqwsnet-japan.info/?p=1810


要素として目に付くのは、つま先とかかとのストラップのみ。このストラップは、つま先もかかともマジックテープで固定する作りになっています。
ループにベルトを通して調整するものに比べると、バリバリッと着脱するマジックテープにはチープな印象があります。
しかしこのサンダルに限って言えば、マジックテープであることで見た目に安っぽさを想起させるような“悪影響”を及ぼしている、ということもありません。


かかとのストラップは、見た感じでは若干太めです。ストラップは太くなればなるほどカジュアルな印象が強まるため、もう少し細い方が大人っぽい見え方になるとは思います。
しかしいざ履いてみると、実用性の観点からは、この太さがちょうどベストなバランスであることがわかります。足に食い込むようなストレスがなく、しっかりホールドされていることを実感できます。
幅広な足先にしっくりなじむシルエット

サンダルに限らずですが、メンズの“履物”のシルエットは、先端が細身である方が、つまりスーツに合わせて履く革靴のイメージに近づく方が“ドレス”な印象になります。

その点、このサンダルは先端が丸みを帯びたフォルムで、若干太く見えます。そんなわけで、実のところ“洗練されたシルエット”とは言いがたい形ではあります。
しかしこれも実用性の観点からすると、このサンダルの先端は、筆者を含む少なからぬ“幅広”な足の日本人にとっては望ましい形なのです。
筆者は常々“幅広”な足の形に悩まされており、細身でオシャレな靴に「選ばれない」という苦い経験を重ねてきました。

その点、このサンダルのしっくり感たるや、お見事です。「選ばれた」と感じられるフィット感。写真は筆者が実際に着用している様です。素足をお目にかけるのはさすがに不躾なので、ソックス着用の写真にて失礼します。
なお、このサンダルはXS(23cm)、S(24cm)、M(25cm)、L(26cm)、XL(27cm)、XXL(28cm)の6サイズ展開。
筆者は普段、27cmまたは27.5cmの靴を履いており、今回はXLを選んでぴったりでした。Lでも履けるし、窮屈というほどでもないのですが、足の横幅がサンダルをはみ出してしまい不恰好なのです。ちなみに、XSとXXLは通販のみの対応となっています。
ストレスを感じさせない履き心地

このサンダルの実用性を語る上で、快適な履き心地に触れないわけにはいきません。
特徴のひとつに、まず“肌あたりのよさ”が挙げられます。上掲の写真は“寄り”で撮影しているため、パッと見ではよくわからないかも知れませんが、かかと部分のストラップを内側から撮影したものです。
特に海外製のスポーツサンダルには、ストラップの内側の生地感がごわついているものも少なくありません。そういうものは馴染むまで擦れて痛むのです。その点、このサンダルは買ったその日から快適な肌あたりが約束されています。

続いてこの写真もわかりづらくて恐縮ですが、足裏の“土踏まず”に接する部分だけが盛り上がっているのがおわかりいただけますでしょうか。
この微妙な盛り上がりが、土踏まずに寄り添うようにフィットして、快適な履き心地をより高めています。

底部に使用されているのはEVA素材。EVAとは「エチレンビニルアセテート」の略で、水に強く軽量で、柔らかく弾力があることからサンダルやバスマットにおいて一般的な素材です。
クッション性が高いため、つま先とかかとのホールド感、そして土踏まずを含む足裏のフィット感も含め、サンダルでありながら長時間の外出にも対応できる作りになっています。

なお、このサンダルは上述したストラップ部分だけではなく、足裏の肌あたりのよさもなかなかのものですが、ひとつだけ難点があります。それは汚れが付着しやすい点。
表面をアップにしてみると、細かな網目状になっていることがおわかりいただけるかと思います。ここがホコリやゴミを吸着しやすくなっており、それでいて水で流そうとしても簡単に落ちず、除去しにくいのです。
そんなわけで、カラバリについては後述しますが、白はただでさえ汚れの目立つ色なのに、このサンダルの場合は“汚れ”の要素を色々と拾いやすい点で、より一層留意する必要があります。
色は白と黒の二択。オススメは黒。

このサンダルはユニクロ表記で「00 WHITE」と「09 BLACK」の2色展開。サンダルを着用するのが基本的に夏である点で、「00 WHTIE」、つまり白の方がさわやかな印象ではあると思いますが、上述の通り、「汚れがつきやすく落ちにくい」点を踏まえて、「それでも買う」かどうかをご判断されるとよろしいかと思います。
筆者は「09 BLACK」、つまり黒をオススメします。それは上述の“汚れ”の観点からだけではありません。
人の目は、無意識に重力を意識するもの。つまり足もとの色はダークトーンである方が、自然な見え方になります。メンズファッションにおいて「不自然ではないこと」はそれだけで“加点要素”です。
また、シルエットについて既述の通り、このサンダルは若干横幅があるため、黒の方が収縮して見える点で好ましいのです。逆に膨張色である白は、幅がより強調され、ともすれば野暮ったい印象を増幅させてしまいます。
価格は2990円(+税)。「他では手に入らない極上のサンダル」とは言えませんが、スポーツサンダルとしては格安と言ってよいお値段です。
ストレスを感じさせない着用感による利便性の高さという点も含めて、選択肢のひとつとして持っておくに十分値するものではないでしょうか。
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