女性がはいているのをよく見かけるワイドパンツ。レディースアイテムとしてはトレンドを通り越して定番となっています。
一方でメンズファッションでは「男がワイドパンツなんてありえない」と言われがち。しかし去年と比べるとメンズでもだいぶ世の中に浸透してきています。セレクトショップだけでなく、ユニクロやGUなども展開するようになったため、男性がワイドパンツをはくことへのハードルが下がってきているのでしょう。
今回紹介するユニクロUのウールブレンドワイドパンツ。5990円(+税)と価格が安めのワイドパンツが良品なのかを検証していきます。
縫い目がアクセント?
まずはデザインから。イネスやJWアンダーソンとのコラボが続いたユニクロですが、両者とのコラボはデザイン性の高いものが中心だったのに対して、ユニクロUはまさに「ライフウェア」を標榜するとおり、デザイン性の低いベーシックなアイテムが中心となりました。


センタープレスがキレイに入っており、シンプルなスラックス型。

裾はミシンの縫い目が見えるようになっています。
丈が長くほとんどの方はお直しが必須だと思うので、気になる方は「まつり縫い」を頼んで裾の縫い目を消してもらうことをオススメします。
公式サイトの説明には「脇の縫い目は耐久性にすぐれた巻き縫い」と書いてあります。耐久性以外に意図があるのか正確にはわかりませんが、縫い目を強調することでデザイン性を足しているともとれます。
少し重くなることで、下にストンと落ちてシルエットがキレイに見せやすい「落ち感」要素にもなっています。

惜しいのはウエストゴムと紐がないことです。
ワイドパンツの緩さを調整する際に便利なのでつけてほしかったですが「ベーシック」というテーマのために採用しなかったのかもしれません。
ユニクロでは珍しい「ウールのワイドパンツ」

ユニクロではこれまでもワイドパンツの展開はされていました。ただレディースを含めいままでのアイテムはチノ・デニム・ポリエステル素材のものしかなく、メンズが使いやすいものがほとんどありませんでした。
チノ・デニム素材だとカジュアル(ラフで子供っぽい)に寄ってしまい扱いにくい。レディースアイテムであるポリエステル素材のドレープワイドアンクルパンツが使いやすかったのですが、丈が短くセンタープレスもないため不便さはありました。

今回のワイドパンツにはウールが配合されています。スラックスに使われる素材なので光沢があり、大人びたキレイめ要素が出ます。ワイドパンツというカジュアルなシルエットのものには、ウールなどのスーツ要素を取り入れてバランスを取ることが必要になってきます。
ポイントはサイズ選びにあり!

このワイドパンツ、サイズ選びが本当に重要です。実はウエストがジャストサイズのものをはいてもワイドパンツらしさが出ないのです。
通常、スラックスやデニムなどはなるべく細身のものにすることでシルエットをキレイに見せることができます。
しかしワイドパンツは逆です。なるべく緩く大きいシルエットにした方がいい。中途半端な緩さだと、だらしないだけの「学生の腰パン」のようになってしまいます。
そこで今回、筆者は普段Sサイズなのですが、ウエスト85cmとかなり大きめのサイズを選んでみました。店頭で買える中では一番大きいサイズで、わたり幅38、裾幅は20㎝です。

少しやりすぎなくらいボリュームを出すことで「ワイドパンツとしてはいている」ことを主張できます。
腰回りをゆったりとさせ、足元に向かって細くなる(テーパードしている)ことで、メンズのワイドパンツらしさを出ます。
✳︎逆に足元が横に広がる「フレア」は女性的なデザインなので適していません。スカートなどを連想させるからです。

画像ではまだお直しをせずロールアップして長さを調整しています。裾のお直しをする際は、足元に適度なクッションが出る長さに調節するとキレイなシルエットになります。
「MBワイドスラックス」と比較

上の画像はファッションブロガーMB氏監修のワイドパンツ「MBワイドスラックス」。ユニクロUワイドと比較しました。

(MBワイド)

(ユニクロUワイド)
MBワイドはタックが2つあることでボリュームが立体的に出てスラックスらしさが増し、ウエストゴム・紐で腰位置・ボリュームを調整できるのがポイントです。
ユニクロUワイドはどちらもないので、ベルトを使って調整する必要があります。ワイドパンツ単体で調整できないのは不便ですね。

(MBワイド)

(ユニクロUワイド)
また、素材について。MBワイドは薄く滑らかで縦横に伸びるストレッチ素材。それと比べるとユニクロUワイドは光沢が少なめで表面はザラザラとした質感、ストレッチ性はありません。
写真だけで素材感を伝えきることができず申し訳ないのですが、触ったときの質感の違いは明らかでした(ユニクロUがダメというよりも、MBワイドパンツの素材へのこだわりが非常に高く、価格も数倍します)。
とはいえ、シルエットに関してはロールアップ・ベルトでの腰位置調整でクオリティを近づけることができます。

(MBワイド)

(ユニクロUワイド)
個人の体型によって変わってくるので「丈は〇〇cmがベスト」とは言い切れませんが、ユニクロUワイドでもウエスト位置・クッションのつけ具合など工夫をすればシルエットはどんな形にもつくることができます。
小柄・顔が大きい人こそ試してほしい

ところでワイドパンツをはく勇気が出ないという人は特に小柄な方に多いと思います。
「身長が高くないと絶対似合わない」「脚の短さが強調されるんじゃないか」「顔の大きさが……」。身長162cmで顔が大きい私はずっとそう思っていました。
ですが小柄な方にこそワイドパンツをはいてほしいんです。あくまでレビュー記事なので細かい着こなしには触れませんが、タンクトップなどを重ね着することで脚の短さは誤魔化せますし、パンツのボリュームがあることで顔と対比されて小顔効果にもなります。
背が低くても工夫次第で着こなすことができます。勇気が出ない方。まずはキレイに見せる方法を知るところから始めてみてはどうでしょうか。ユニクロなら値段も抑えられますし、販売員からのプレッシャーを受けることもありません。ぜひ一度手にとって試着してみてください。
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