いよいよユニクロUの本命ラインが発売されましたね。半年に一度のお祭り騒ぎ、それがユニクロU。元エルメスのデザインも手がけたクリストフ・ルメール氏がユニクロとコラボする夢の祭典が今回もラインナップされました。
※ユニクロユーについて詳しく知りたい方はこちら。https://goo.gl/NaFHZg
今回はその中でも、今季マストバイ確実とも言われ高い「ウールブレンドジャケット+E」について、速報をお届けしようと思います。
目次
「ジャケット」なのに、ほど良い“ゆるさ”が3つある

“ゆるさ”の一つはこの「シルエット」。このジャケットのシルエットは、ウェブ上にも記載されていたように、ボックス状です。

通常のジャケットだと、ウェスト部分の“絞り”があるため、体に沿ったラインラインが出るようになっています。
しかし、このユニクロUの「ウールブレンドジャケット+E」は体のラインを拾いにくいシルエットのため、「体型があまり綺麗じゃないので、ジャケットを羽織れない」と思っている方や「窮屈すぎるジャケットは、ちょっともう年齢的に」という方でも気兼ねなく羽織れる形ですね。
2つ目のポイントは「ラペル」です。

まず幅ですが、一般的なジャケットの場合、最も太いところでも7センチほど。しかし、このジャケットにおいては8センチとやや太め。それに加え、通常は直線的に落ちるラペルが、このジャケットではカーブを描くように落ちているため、幅の太い部分が大きくなっています。
このラペルが太いということは一体何を意味するかというと、礼服のような「フォーマルな場での使用」を目的とするのではなく、「あくまでカジュアル用なんですよ!」ということ。そしてこの服は、ゴージラインと呼ばれるラペルの切り込み部が下がっています。

ここが下がることによってフォーマルな印象が取れるので、その点でもカジュアルな要素があり、“ゆるい”印象を醸し出します。
そして3つ目は「ステッチ」。

(このジャケットのポケットは「パッチポケット」になっています)

MB氏のメルマガの読者であれば説明不要かと思われますが、通常フォーマルな場で用いられるのは「フラップポケット」という蓋がついたもので、ポケット全体はジャケットの中に隠れるようなデザインになっているものが主流です。
一方で、このジャケットに用いられている「パッチポケット」は、ジャケットにポケットがくっついた形になってなっているため、ステッチ(縫い目)が前面に見え、カジュアルな印象をもたらしてくれますね。
ポケット部以外にも、先ほどのラペルの部分にも前面的にステッチが施されています。

デニムを思い浮かべていただくとイメージしやすいと思いますが、カジュアルなジーンズにはステッチがよく見えるようなデザインになっているのではないでしょうか?

(デニムパンツのステッチ)
しかし、フォーマルなスラックスなどではそうしたステッチは表面的には見ることができません。ユニクロなどで裾上げをする際も、ステッチの見える「ミシン縫い」ではなく、ステッチの見えない「まつり縫い」が推奨されます。
このことからも、「ステッチが見える」というただそれだけのデザインで、カジュアルな要素が加わり、“ゆるく”なっているのです。
トレンドを押さえた表情豊かな「ツイル織り」

続いては生地感を見て参りましょう。ユニクロのセミオーダーできるウールジャケットは「スーパー110」が使用され一目見ていい生地感だとわかりますが、こちらも負けてはいません。ただし、ウール100%ではなく、30%ポリエステルが配合されています。

しかし、それでツヤ感が失われていることはありません。それは、この「ツイル織り」に秘密があります。ツイル織りとは何かというと、日本では「綾織(あやおり)」といいます。
出来上がった表面が斜めに見えるのが特徴で、伸縮性に優れ、またシワがつきにくいというメリットがあります。通常の「平織り」よりも強度に若干難があるものの、ポリエステルを混紡することでデメリットを補っているのです。
ユニクロとルメール氏の「ライフウェア」という理念に基づいた服であることが存分に伺えますね。そして、表面の織りが斜めに見えるということは、シワがなくとも生地に表情が生まれるということで、表面的な印象はなく「脱地味」を図ることができます。
これはユニクロとイネスのメンズラインのコラボで人気を博していた「ツイード」素材の概念とも共通するところがあるでしょう。 参考 http://www.neqwsnet-japan.info/?p=12932
メンズのジャケットの最重要ポイント「ボタン」はやっぱり残念感

一般的なメンズのジャケットやコートなど、最も視線が集中するとも言えるところといえば、意外かもしれませんが、「ボタン」に他なりません。なぜならそれは、メンズのジャケットやコートはあくまでもシンプルなデザインであるからです。
シンプルゆえに視線を集めるポイントになっているのです。例えば、人は「白紙をみろ」と言われても、どこを見ていいかわかりませんが、なにか一点がそこにあるだけで、視線が集中するのです。
つまり、その視線が集中する先に高級感のある素材を施すだけで、なんとなく「これはいいものなのではないか?」という効果が期待できるのです。しかし、ユニクロのジャケットは生地はいいもののボタンがちゃっちい。
プラスチッックのものを使っているため、安っぽさが否めないのです。このジャケットも例外ではありません。黒の単一的な色合いは高級感とは無縁でしょう。
ですが、このジャケット全体は決してのっぺりした印象はなく、「シルエット」や「ステッチ」といったデザイン面は合格なので、そこまで気にする必要はないですね。しかし、できるならばボタンは本水牛、ないし水牛調のものがよかった、と個人的には思います。
意外に難航したイメージに合わせたサイズ選び

このジャケットを購入する際に、最も悩ましかったのはサイズ感です。店頭にはS,M,Lと揃っていたためすべて試着しましたが、どれも悪くありません。そのため、試着を通して感じたサイズ感を元にして、どれを、なぜ買ったのかをお伝えさせていただきます。
筆者は身長174センチ66キロで、肩幅や胸板はややある方です。華奢ではない体型ですので、それを踏まえた上でご確認ください。まずSサイズですが、いわゆる「ジャスト・サイズ」です。
肩幅がちょうどよく収まり、羽織るとIラインのシルエットが作れる形でした。しかし、このSサイズの場合、印象としては「普通のジャケット」。これならば他のものでもよさそうです。
続いて羽織ったのがLサイズ。Sサイズよりもこのジャケットのシルエットがよく出て、ビックシルエットで体型隠しにちょうどいいと思ったのが最初でした。そして最後にMサイズを羽織りました。
結果的にはこのMサイズを購入したのですが、Lサイズだと、Yラインが作れるほど大きいというものではなく、全体として中途半端になってしまったからです。
Mサイズの場合、肩や身幅に多少余裕があるものの、ジャケット本来のよさが存分に出ていて、一目で「美しい」と思えるシルエットになりました。「このサイズがオススメ!」ではなく、「どう使いたいか」によってサイズを選ぶといいでしょう。
今回ご紹介したシャツは9990円(+税)。「ユニクロにしては高価格」思われるかもしれませんが、やはりそこは「ルメールが携わった服がほしい……!」と思って見るのがいいかもしれません。
あくまで個人の主観ですが、パンツとセットアップで着てみてもプラス6000円ほど。旬な着こなしを上質に取り入れるには、高くないのではないでしょうか?
ほどよい”ゆるさ”で大人の色気を
数年続いてきたストリートの流行が少しずつ終わりが見えてきた昨今。徐々にドレッシーな装いが増える中で、いかにカジュアルな要素を足していくかのバランスはなかなか難しい……。
服以外にも趣味がある人ならなおさら、服を選ぶということで意志力を消費したくないですよね。そうすると、やはり簡単なのは上下が決まっている「セットアップ」。楽に、おしゃれに、時代の流れを取り入れるのに、ぴったりなのではないでしょうか。
人気商品になることは必須のため、じっくりご判断するための参考になれば幸いです。
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