夏でも快適に過ごせるラッピンノットのフルレングスパンツ。「1Tuck C/L PANTS」

8月も後半に差し掛かり夏ももう終わりかなと思ったらそうではありません。

日本の夏は9月になっても暑さがしつこく残ります。お店ではすでに秋冬のアイテムが販売されていますが暑いとどうしても半袖のトップスにショーツを合わせることが多くなりますよね。

しかし、「暑いからショーツを履く」という考えは少々短絡的ではありませんか。周りがショーツだらけになっているときだからこそフルレングスもしくはアンクル丈のパンツを履くことで簡単に差別化ができます。

今回は夏でも快適に過ごせるスグレモノをWRAPINKNOTというブランドで発見したので紹介します。

夏でも快適に過ごせるパンツの秘密

 

WRARINKNOTはファッションに詳しい方ならブランド名くらいは耳にしたことがあるのではないでしょうか。

このブランドはいわゆる「ファクトリーブランド」。もともとニットの一大産地である新潟県五泉市で50年以上の歴史を持つ日本有数のニット工場「ウメダ・ニット」が2011年に自社で立ち上げたブランドです。

ニット素材の開発から裁縫までをすべて自社で行うことができるのでクオリティの高い素材を手頃な価格で提供しています。また、パリコレにも参加するほどデザイン性も高く日本で最も勢いのあるブランドのひとつです。

今回紹介するのは「1Tuck C/L PANTS」。デザインはスラックスで色は表現しづらいのですが、黒や白、グレーといった多彩な糸で織られているので暗めのグレーといったところです。丈感は身長175cm体重65kgの筆者でsize3を着用しておりくるぶしにかかるくらいの長さになっています。(ウエスト位置は調節が可能)

さて、わたしがこのパンツを購入した最もたる理由が「夏でも快適に履ける」ものだったからです。ただ夏に履くだけならどんなものでもいいのですが、快適さは求めるには素材を気にする必要があります。

夏を代表する素材といえば「麻」。麻といっても日本で麻と呼ばれるものはいくつかありまして、リネン、ヘンプなどの聞き慣れたものからラミーやジュートのような日常会話ではあまり登場しないようなものまであります。

このうち高級なのがリネンです。日本語では亜麻(アマと呼びます。アアサではないので注意)と呼ばれ、家庭用品品質表示に「麻」と表示されるものはリネンかラミーのどちらかになります。

麻としての特性、速乾性や清涼感はどの素材にも共通してありますがリネンにおいては光沢やしなやかさなど美しさという面でほかの素材と大きな違いがあるのです。

リネンといえば日本の夏用の着物に使用されていることから夏の素材だと思われていますが1年中使用することができる万能素材なんです。肌触りや速乾性はさることながら、繊維の中に含まれる空気が多いので保温性もあり冬でも大活躍してくれます。

また、耐久性にも優れているので、戦時中には艦船用ロープや軍服などにも使用されていました。現在は海外の影響で大麻(ヘンプ)を含め麻の生産に対して悪いイメージを持っている方も多いですが、われわれ日本人にとって古くから身近に存在した素材なのです。

話が少し逸れました。今回のパンツの素材は何が使われているのか。商品名を見て気がついた方も多いと思いますが、「C/L」とありますよね。これは「コットンとリネンを使用したアイテム」という意味です。生地の約4割がリネン、正確には「綿62%麻38%」の割合になっています。

このリネンが多く混紡された生地のおかげで夏でも快適に過ごすことできるのです。

「リネンが多いほうが涼しいのならリネン100%にすればいいのでは?」とお思いでしょうが、リネンはシワがつきやすい素材です。今回のようにコットンの混紡率を多くすることで型崩れがしにくく、シワもつきにくい生地になります。

また、裏地もなく平織りという通気性のある織り方がされていることで生地が薄い、脚周りに余裕があり脚に張りつかないというところもポイントです。

スポーツ体型の方でも安心でトレンド感のあるシルエット

 

「1Tuck C/L PANTS」というパンツはWRAPINKNOTの定番シルエットであるワイドテーパードになっています。今年のトレンドのひとつであるワイドパンツのようなドカッと太いものではなく、裾にかけて細くなっているので大人の方でも抵抗なく履くことができます。

裾幅は40cm(size3・筆者実寸)と一般的なスキニーやスラックスのような細みのパンツと比較するとけっして細いとはいえません。あくまで「裾幅の細いワイドパンツ」といった認識がちょうどいいです。

このパンツをぜひ履いてもらいたいのが、太ももの太いスポーツ体型の方です。

ファッション初心者に向けてオススメされるアイテムに「黒のスキニーデニム」があります。細みで黒いのでスラックスのような上品さを持ち合わせているけど素材がデニムなので非常に使いまわしやすいアイテムです。

しかし、わたしは含め太ももの太い人がスキニー着用するとピチピチとしてゲイファッションっぽくなってしまいます。それでも生地が伸びるまで頑張って履き続けるのもひとつの方法ではありますが、それは時間がかかって面倒くさいという方は脚にフィットしないテーパードパンツを選びましょう。

編地と織地のドッキング

 

このパンツのデザインの1番の特徴がウエスト部分とその他の部分の生地の違いです。ウエスト部分は編地になっていてその他は織地になっています。

編地とはニットやジャージーのように伸縮性がある編み方のことです。たいして織地とはシャツやデニムのような織り方をしたものです。

お手持ちのスラックスやデニムを見てもらえばわかりますし、パンツだけでなくシャツもそうなのですが、多くのアイテムはすべてのパーツを同じ素材で揃えます。そのほうが作業工程も少なくてすみますし生地の在庫管理も簡単だからです。

しかしその工程を難なく行うことができるのがファクトリーブランドの強み。ウエスト部分を編地するといった工程にほとんどコストをかけず行うことができます。また編地と織地のドッキングはWRAPINKNOTの得意技で毎年同じようなデザインのパンツがリリースされています。

ウエスト部分が編地になっていることで、お腹周りが気になる人でも問題なく履くことができます。

さらにドローコードがついているのでウエスト位置の調節も自由自在。パンツの生地自体にも張りがあり、落ち感がきれいにでているので脚の形をすっぽりと隠してくれます。

加えて、商品名にもあるように「1Tuck」つまりプリーツが1つ入っています。タックとはパンツに入っている「つまみ」のことです。

ワンタックパンツやツータックパンツというのはこの「つまみ」の数のことを指していてタックを入れることで腰もとにゆとりができるので、今回のようなにゆったりとしたパンツには必須の加工なのです。

自宅での洗濯が可能

洋服を購入した後で1番気になるのが自宅で洗濯ができるのか、それともクリーニングに出すのかです。極端なことを言ってしまえば購入したものはすべてクリーニングに出してしまえば余計な心配をする必要がなくなります。それは現実的ではないにしても、このパンツのような高価なものだけでもクリーニングに出すようにしたほうがいいです。

ただ、クリーニングに出すのが面倒くさいという方もいるでしょうから今回は自宅で洗濯する方法を紹介します。

まずは洗濯表示を見ましょう。この表示は各ブランドがお客様からクレームが入らないようにするために少々大げさにマークが入っていますが、ファストファッションの洋服と違い買い直しができないので、洗濯表示のとおりに洗濯をするのが吉です。

写真にある洗濯表示からわたしたちが気をつけるべきことは漂白剤と乾燥機を使用しないこと。洗濯後は吊り干しで乾かし、アイロンをかける場合は150度以下で行うことです。これらの注意点があることがわかったうえで自宅で洗濯する方法を紹介します。

 

洗濯機に入れる前の準備はパンツをボタンを裏返しボタンを付け、ネットに入れるだけ。

(裾を洗濯バサミで留める方法がオススメ)

洗濯が終了したら日の当たらない風通しのいいところで吊り干しにしておきましょう。吊り干しをする際はパンツの上下をひっくり返し裾を洗濯バサミで留めておくとシワを伸ばしながら乾かすことができます。

洗濯表示と上記の手順を守れば自宅でも簡単に手入れができるので汗をたくさんかいても安心です。

今回紹介したWRAPINKNORTの「1Tuck C/L PANTS」ですが、2017春夏のアイテムのためセール品になっています。定価3,0240円(税込)だったものが30%OFFで21,168(税込)になっているところもあります。

価格はかなり手頃になっているのですが、在庫がかなり少ないです。店頭にいけばまだ置いてあるところもあるので気になっている方はぜひ試着だけでもしに行きましょう。サイズの目安は身長175cm体重65kgの筆者でsiza3です。

ショーツ以外の選択肢も持っておこう

わたしはこのパンツを履くまで「夏はショーツ以外履かない」と心に決めていました。それには何か特別な理由があったからではなく、「ただ暑いから」という自分の欲求を優先しただけでした。

しかし、ファッションは自分のためだけにするものではありません。いくら暑くてもレストランにはショーツで行くべきではありませんし、女性と会うときも「暑いからショーツ」という短絡的な考えでは相手に対して失礼です。

ちゃんと探せばショーツでなくとも夏を快適に過ごせるパンツはあるので、今回の商品レビューをきっかけにショーツ以外の夏コーデをしてみてください。