ユニクロとの8倍の価格差を超えても虜になったYASHIKIモックネックニット

ユニクロは「ライフウェア」を掲げて商品を展開しています。ユニクロで買ったもので何年間もずっと着ているものってありますか……?

おそらくほとんどないんじゃないのかと思います。筆者もユニクロは愛用しており、特にエクストラファインメリノウールニットはヘビロテしていて、ダメになったら新しいものに買い替えるというスタンスをとっています。


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二年間着用したエクストラファインメリノウールニット)

ただ、ユニクロで買ったものにはストーリーがないので、どうしても買った後に愛着がわかず、扱いが雑になってしまいます。ものを買っては捨てるという過程は意外と疲れます。大量購買大量消費といった生活に嫌気がさしていたときに見つけたブランドがYASHIKIでした。

ユニクロとコンセプトは同じ?

YASHIKIのブランドコンセプトは「オンタイムとオフタイムを行き来する、場所、時間、お金に縛られない自由な男性のためのプロダクト」です。

一見、ユニクロと同じようなコンセプトです。しかし、こだわりが違います。ユニクロと同じようにシンプルで飽きがこないという点では一緒ですが、永く着れる、もっと言うと永く着たくなる服という点でのこだわりが「ハンパなく」違うのです。

筆者が購入したYASHIKIのモックネックニットは24000円(+税)で、ユニクロのエクストラファインメリノウールニットが2900円(+税)なので価格差は8倍です。YASHIKIはコットン、ユニクロはウールと素材の違いこそあれ同じニットでなぜここまで価格差が生じるのか、そして大金を払ってまで買う必要があるのか? 

8倍もの価格差を越えて筆者を虜にしたYASHIKI

ものづくりのこだわりの一つが、日本産を徹底しています。

最近でこそ、STUDIOS(ステュディオス)やUNITEDTOKYO(ユナイテッドトウキョウ)などメイドインジャパンにこだわりつつも比較的安価でアパレルを展開しているブランドが出てきました。日本製というだけで確かに品質がいいように聞こえますし、中国製などに比べると縫製はしっかりしているでしょう。

YASHIKIのニットはただ日本製であるだけではなく、昔から繊維の町で知られる栃木県と群馬県にまたがる両毛地区で熟練の職人たちによって縫製されているため他に比べて圧倒的な品質を誇ります。その違いが一目でわかるのが、YASHIKIのニットのシンボルともいえる矢絣柄です。

矢絣とは文字通り矢羽を意味しており、シンプルだけど上品で、和を感じさせてくれる柄に筆者は感激とともに一目ぼれしました。


2017AWのテーマは「白山」

また、YASHIKIのニットには毎シーズンデザイナーが幼少期に見ていた風景がデザインに落とし込まれており、ニット全体で見たときもどこか懐かしいような気持になります。ニット全体は両畔編みが施されていて、最近流行しているコーデュロイのようにニット自体に表情が出ています。

こだわりの二つ目が、着る人のことを徹底的に考えて服を製作することです。先程述べた「永く着たくなる服」というのはどのようなものでしょうか。それはデザインがシンプルで飽きが来ず、体型が変わっても着ることが出来ストレスを感じない。そして何よりもお手入れが簡単であることです。

なんとYASHIKIのニットはそれらをすべて満たしているのです。まず、デザインは先程も述べたようにシンプルでありながら地味さを感じさせません。つぎに、YASHIKIのニットは着物をオマージュしているのでゆったりとしたシルエットをしており体型があらわになることもありません。


シルエットは着物に似ている
!?

ゆったりとしているからだらしない印象を与えるのではないかと思われがちですが、袖先と腰にリブがついているのでだらしない印象を与えません。

素材がコットン100%なので丸洗いが可能です。コットンと聞くとユニクロのヘビーウェイトTシャツなどのがさついた印象を思い浮かべるかもしれませんが、YASHIKIのニットはコーマ糸という長さの長い糸が除去され、

繊維が平行に揃った高級細番手の糸を用い、さらに通常1,2本の糸で編むところを、4,5本の糸で編んでいるため編み目がしっかりしており、丈夫さや艶感がたっぷりと担保されています。洗濯機で水洗いしても型崩れや、糸のほつれはほとんどありません。

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洗濯用ネットに入れる。


アクロンなどのオシャレ着洗いを使用し、手洗いコースを選択する。


乾燥させた状態

一つ弱点を挙げるとすると、ウールに比べてコットンは重厚感があるところですが、ニットで肩がこるなんてことはありませんのでご安心を。もちろん防寒性では、かなり目が詰まっているとはいえ、さすがにカシミヤやアルパカに劣ります。

一度で三度おいしいモックネックを選ぶ

最近はよく耳にするようになってきたモックネックという単語ですが、ハイネックという名で呼ばれていました。前からあったものの呼び名を変えることで新しいものであるかのように見せるアパレルの常套手段ですね。

タートルネックがあごの下あたりまで生地があるのに対して、ある意味中途半端な首元の高さが特徴のモックネックですが、中途半端であるがゆえに襟元で遊びを利かせることが出来ます。

ニットの下に襟が高めのボタンダウンシャツなどを合わせると襟をチラ見せしてアクセントをつけることができます。また、レディースでは一般的になりつつありますが、メンズでもスカーフを首元に巻くことによっても変化をつけることができます。


筆者


Lookbookから抜粋

タートルネックにマフラーを巻くと、色味によっては首元が渋滞してみえますが、モックネックだとクルーネック感覚で使えるのでマフラーやストールを巻いても大丈夫です。また、シャツの襟などもそうですが、意外と首元は汗をかきやすいので、タートルネックだと着用ダメージが気になります。

モックネックのニットは着用によるダメージが軽減されるのでおすすめです。ちなみに身長175㎝で、体重62㎏の筆者でМサイズにあたるサイズ2を着用してゆったりとした着用感です。着丈は67cm、身幅58cmです。

結局8倍の値段を出しても買うべきなのか!?

筆者は8倍の値段をだしても買ってもいいと判断しました。これでもかというくらいこだわりの詰まったニットです。デザイナーはもともと人気だったブランドのデザイナーを突然辞め、それから数年後にYASHIKIを立ち上げました。

YASHIKIというブランドはニット専業で、毎回展開する型数は他のブランドに比べてかなり少ない。さらに一つ一つのニットを編むためにかなり時間がかかるため販売数も少ないという徹底的なこだわりようです。ユニクロには申し訳ないのですが、そもそも比べる対象ではありません。

ニットはピンからキリまでの値段のものが存在し、有名どころで言えば、アンデルセンアンデルセンのニットは約45000円ほどもします。高級ニットで25000円+税ならまだ良心的と言えるでしょう。一度買えば破れるまでずっと着たくなるニットなので、ぜひ購入をおすすめいたします。

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