ZARAの靴が格段に進化。デザインと機能が両立した「ブラックスニーカー」

秋から冬にかけて、コーディネートの“色”に着目すると、どうしても全体の面積における“黒”の割合が多くなりがちではないでしょうか。特にコート姿になると、往々にしてドレス感が強くなるため、その足下に革靴を合わせると「キメ過ぎ」感があります。

その点で便利なのがスニーカーです。そこで本稿では「大人」のコーディネートを好む読者諸兄に是非オススメしたい、モノトーンのスニーカーを取り上げます。極めてシンプルで汎用性の高いデザインと、靴としての歩きやすさが両立している逸品です。

※ドレスとカジュアルについてはこちらをご参照ください。http://www.neqwsnet-japan.info/?p=1810

ミニマルなデザインと革靴ライクなシルエット

この靴の一番の魅力は、何と言ってもデザインに無駄がないこと。「ブラックスニーカー」の名の通り、基本的には黒1色です。

シュータン(甲)や足を出し入れする部分にちょっとしたアクセントを加える、といった不要なデザインがありません。(このスニーカーにはそもそもシュータンがないです)

黒いパンツと合わせると靴の黒とそのままつながり、足長効果が期待できます。一方で、アウトソールだけは白いため、足下の印象が重くなり過ぎることもありません。

そしてシルエットもまた秀逸。薄くて細く、革靴のような形です。いい意味で主張せず、コーディネート全体を引き立ててくれます。

フェイクながらレザーとしてまずまずの素材感

靴全体の“黒”の部分の素材は、足を出し入れするところに一部使われているゴム以外は、フェイクレザーです。

本革さながらの高級感、というわけにはいきませんが、テカテカした「いかにもフェイク」というものではなく、使い込まれたレザーのように表面はマットで落ち着いた印象です。そしてこの素材は素晴らしいことに、とても柔らかいのです。

歩く際、足の指が地面を蹴るたびにアッパー部分の生地が足の甲に寄り添うように曲がってくれるので、足にストレスがかかりません。アウトソールの白い部分はゴムでできています。

汚れやすい上に汚れが目立つのですが、消しゴムを使うとその汚れは簡単に落とすことができます。

ストレスフリーな履き心地と歩きやすさ

この靴は薄い作りではありますが、ソール(靴底)はゴムのクッションがしっかり効いています。筆者が実際に履いて朝から1日中出かけてみても、特に通常以上の疲労は感じられませんでした。

歩きやすさについては、上述の「アッパー部分の生地の柔らかさ」もまた、大いに貢献していると思われます。

さて、筆者は幅広で甲高、という典型的な“日本人の残念な形の足”の持ち主です。しかしこの靴、中は幅が確保されていて「幅広」に対応している上に、アッパー部分の生地が柔らかいため、「甲高」も問題になりません。

一方で、足を出し入れするところの締め付けが、少し強めです。サイドにあるゴムが伸縮することで足の出し入れを容易にしているのですが、このゴムが強いのです。そのため素足で履くと、足首のゴムの当たる部分に違和感が生じます。

しかしこの違和感は、くるぶしが隠れる靴下を履けば解消されます。つまりこの靴は、かかとが動くことの内容に足首をしっかりホールドすることで、靴の中の快適な広さを確保しているのです。

なお、筆者は普段27.0cmの靴を履きますが、この靴は42(27.0cm相当)でジャストサイズでした。

余談ながら、「履きやすさ」について1点追記です。スニーカーによくついている、かかとのフィンガーループがこの靴にはありません。デザイン的にはよりシンプルになって結構なことですが、利便性においてはちょっと困りもの。

と言うのも、上述の通り、足を出し入れする部分の締め付けがやや強めなので、靴ベラがないと、やや履きづらいのです。靴ベラがない場合は、指で引っ張りながら「よいしょ」と頑張って履くしかありません。履き心地は良いけれど、履きやすくはない靴です。

購入時のちょっとしたご注意を

この靴はシンプルなデザインだからこそ、汚れや傷が目立ちます。特に白いアウトソールの部分は、できるだけ汚さないように傷つけないように気をつけたいところ。しかしザラ店頭に並んでいるものは、しばしば汚れていたり傷がついていたりするのです。

筆者が店舗で確認した時もそうでした。ただ、これはザラに行き慣れた方にとっては、驚くこともない“ザラあるある”です。そしてバックヤードの在庫を確認してもらっても、「全部傷がついています」との回答。

そこで、「美品」を入手したい方のために、筆者がザラの店員さんにオススメされた方法をご紹介します。それは「靴のサイズ確認だけを店頭で行い、購入は通販を利用すること」。送料は無料です。

店員さん自らこの提案ができる懐深さに、筆者はますますザラが好きになってしまいました。ともあれ、この方法で入手した靴には汚れはなく、傷も「ほとんど」ありませんでした。「全く」ではありません。

筆者が購入したものにも、ほんのちょっとだけ傷はありました(上掲の写真の、向かって真ん中やや右側、白いアウトソールの先端)。筆者にとっては許容範囲ですが、これが受け入れられない方は、そもそも“ザラ向き”ではないかもしれません。

ファストファッションらしからぬお値段にも納得の満足感

筆者はこれまで、ザラの靴については全般的に「デザインの個性が強すぎる上に、履き心地が悪そうで、その上ファストファッションらしからぬ高めのお値段」という印象を持っていました。

特に昨今のジーユーが“価格破壊”の秀逸なアイテムを連発しており、対比的にその印象はより強くなるばかり。そんな中で、この靴も5990円(税込)と決してお安くはありません。しかしこの靴のデザイン、機能性、汎用性を目にすれば、価格にも納得感があります。

是非一度、店舗で試してみてください。この秋冬の“レギュラーメンバー”として、自宅に連れて帰りたくなること請け合いです。

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2020.01.28
EQ03

この記事を書いた人

EQ03

身長178cm 体重64kg 靴27.0cm

洋服を“食”と共に、「コミュニケーションを最適化するためのツール」と位置付けています。物産展マニア。国内外を問わず、地域・人に根差した物語性のあるモノ・コトに惹かれます。コーディネートはワイルドよりもきれいめを。