ゾゾタウン人気シューズランキング1位のラスアンドフリス「ドライビングシューズ」の謎に迫る

ゾゾタウンをお使いの読者諸兄は、ご存じでしょうか。

商品名の欄に「軽くて歩きやすい!ZOZOTOWN人気シューズランキング1位!豊富なカラバリの機能性ドライビングシューズローファータイプ/疲れない痛くない、歩きやすさ抜群!LASUU&FRISS 928」と記載されている、この謎のシューズを。

2017年9月18日時点で、人気シューズランキング1位ではありませんが、「お気に入りアイテム登録数3256人」と、なかなかに注目されていることは確かなようです。筆者はこのシューズの謎を解明すべく、ものの試しに購入してみました。

果たしてその謎の答えが上記の長い商品名(?)の中にあったことを、多少の苦みと共に思い知ることになるのです。

素材は合皮ながら、チープ感はない

このアイテムの作り手は、メンズ・サンエーという創業約50年の老舗靴メーカー。様々なセレクトショップやアパレルブランドのOEMを受注している上に、自社でもオリジナルブランドを複数展開しています。

商品は総じてリーズナブル。他社分も自社分も大量に生産しているということは、原料費を安く抑えることが可能になるということです。また、敢えて自社工場を持たないことで固定費がかからないようにしているとのことで、コスト削減の仕組みを徹底している模様です。

今回ご紹介するのはフェイスクエードのローファー。定価4212円(税込)で、ここ数か月はほぼ常時セール価格の2700円(税込)で販売しています(たまに数百円程度前後します)。

買い手からすると、安い靴はにわかに信用しづらいものですが、このアイテムがリーズナブルである背景は、必ずしも「粗悪な素材」や「劣悪な製造環境」というわけではなさそうです。実際にモノをよくよく見ても、スエードにチープ感はありません。

色は元々14色展開だった模様ですが、2017年9月18日現在、サイズはさておき残っている色はグレー、ブラウン、グリーン、レッド、ワイン、レオパードの6色となっています。筆者が選んだダークブラウンは既に完売しています。

後ろから見ない限りはドレス感のあるデザイン

このローファー、ドレス感のある細身で薄い作りになっています。
※ドレスとカジュアルについてはこちらをご参照ください。http://www.neqwsnet-japan.info/?p=1810

大人っぽい靴とは、革靴がそうであるように、薄くて足下が悪目立ちしないものです。

とってつけたようなデザインがない点もまた好印象。デザインらしきものを敢えて挙げるなら、アッパー(甲)のフチの部分のステッチくらいです。大人っぽさを損なわず、程よいアクセントになっています。

ただ、後ろから見るとやや違和感があります。フェイクスエードの表地の縫い目が人目につかないように、後ろにまとめられているのは結構なことですが、それだけではありません。靴裏のゴムの部分がかかと裏まで続いているのです。

ただ、これこそがまさに、この靴が「ドライビングシューズ」として正しい作りであるポイントなのです。後ほど詳述します。

歩きやすさと靴へのダメージを考慮した機能的な作り

この靴、裏面はゴム底になっており、履いてみると実に軽い上、クッション性の高さを実感します。ここで本稿の冒頭でご紹介した、ゾゾタウンにおける商品名の欄の記載を見返してみて、あらためて納得。「軽くて歩きやすい!」のです。

一方で足先に目を移すと、先端部分が少し浮いてることがわかります。とはいえ、実際に履いてみると意外と気にならない上、特に足が疲れるわけでもありません。逆に筆者は、この作りがアッパーの生地を傷めないための利点となっている、と感じました。

と言うのも、スエードの靴は、歩く際に足の指で踏み込むたびに、往々にしてアッパー部分に横の折りじわができやすいものです。

しかしこの靴の場合、先端部分が浮いていることで、アッパーに負荷がかかりにくくなり、結果として折りじわがつきにくくなっているのです。全くつかない、というわけではありませんが。

ただ、足先が浮いているのは、そもそもこの靴がドライビングシューズとして作られているからでしょう。

「靴裏のゴムの部分がかかと裏まで続いている」と先述しましたが、要するに足をブレーキペダル、アクセルペダルに置くことを前提に、足裏を斜めにポジションする前提の作りなのです。かかとを常時接地させることになるので、そこが擦り減らないようにゴム底で補強してあるのも、理にかなっていると言えます。

サイズ感がとにかく鬼門

ここまでご紹介してきた限りにおいて、この靴はとても魅力的であることがおわかりいただけたかと思います。が、購入をご検討される場合は、本当に慎重を期していただきたいポイントがあります。

それはズバリ、サイズ感。ゾゾタウンで購入するにあたって、この靴をジャストサイズで購入するのは至難です。理由は、ゾゾタウンのサイトの中にある以下の表記です。

※こちらの商品は大きめの作りになっております。普段27cmを着用されている方は、サイズ41をお選びください。

以前は「サイズ44」で27.0cm相当、と記載されていました。今は修正されていますが、この情報に“だまされた”人はきっと多数いたことと思います。

そんな“だまされた”人の中の1人の声が、サイトの中にある「ZOZOスタッフ着用レビュー」として紹介されています。つまり、以前の(修正される前の)表記を信じて「サイズ44」を購入した方のレビューです。

「普段27cmを履いている自分で、全体的に大きかったです。かかとに指が3本入るほどのため、ツーサイズほど小さくても良いと思いました」

私は普段、27.0cmの靴を履きます。このZOZOスタッフの“個人の感想”を鵜呑みにした私は、彼が購入したものよりも「ツーサイズ小さい」サイズ42を購入しました。果たして結果はガバガバ。まさかここにもトラップがあったとは。

この靴の恐るべきところは、ずっとセール価格で販売しているため、ゾゾタウンであるにも関わらず、そしてサイズ合わせの難しい靴であるにも関わらず、返品が不可なのです。私は頭を悩ませた結果、この「サイズ42」はインソールで対応できるレベルではないと判断し、泣く泣く友人に進呈しました。

しかし、私はそこで諦めませんでした。さらにワンサイズ下げて、「サイズ41」で再チャレンジしたのです。果たして結果は「ガバガバ」でこそありませんでしたが、「ガバ」くらいにはゆるかったのでした。ワンサイズではなく、思い切ってツーサイズ下げる勇気を持たなかった自身を呪いました。

ただ、今度はインソールを入れて履いたところ、なんとか履けるものになりました。筆者の足は“甲高幅広”という典型的な日本人の残念な足なのですが、この靴はそこにしっかり対応できる作りになっており、かかとさえピタリと合えば、他はストレスがありません。

それにしても、せっかく2700円というセール価格で販売しているにも関わらず、2度購入した上にインソールまで買い足すと、結果6000円近くの出費に。なんということでしょう。

ドライビングシューズをお求めの方に。

いまやジーユーから、安価で実によくできたフェイクスエードのローファーがリリースされている中で、オシャレの観点から「スエード(っぽい)素材のローファー」を求める人に、敢えてこのアイテムをオススメする言葉を、筆者は持っていません。

ただ、歩きやすさは抜群ですし、何よりドライビングシューズとしてはよくできているのだと思います。「スエード(っぽい)素材のローファーで長時間歩く」「長時間車を運転する」といった必要性のある方にこそ、オススメすべき靴です。

そしてこれは、私が試行錯誤するまでもなく、そもそも商品名の欄に書いてある通りだったのです。

EQ03

この記事を書いた人

EQ03

身長178cm 体重64kg 靴27.0cm

洋服を“食”と共に、「コミュニケーションを最適化するためのツール」と位置付けています。物産展マニア。国内外を問わず、地域・人に根差した物語性のあるモノ・コトに惹かれます。コーディネートはワイルドよりもきれいめを。