まだまだ残暑はきびしいですが、いよいよ秋冬ものが店頭に並ぶ時期になりました。店頭を覗いてみると、レディースではマニッシュでシックなグレンチェック柄のアイテムが多数並び、今年の秋冬のトレンドとして注目を集めています。
GUでも「GENTLEWOMENスタイル」と銘打ち、グレンチェック柄のアイテムを多数展開しています。https://goo.gl/RtdGpp
時代は「ノームコア」から徐々に柄や素材に変化を持たせる“装飾性”にトレンドが変わりつつありますが、そうそう価値観も急激に変わるわけでもなく、こういった古くからスーツにも使われオーソドックスな柄である「グレンチェック」が今程よい”装飾性”として受け入れられ注目されているようです。
「グレンチェック」ってこんな柄
(参考/グレンチェック柄)
「グレンチェック」とは、千鳥格子とヘアラインチェックなど細かい格子を組み合わせた生地でできた柄の事で(上記写真)、グレナカート・チェック(Glenurquhart check)の略。別名はプリンス・オブ・ウェールズ・チェックとも呼ばれ、ウェインザー公が英国王子だった頃によく愛用していたとのこと。
要するにスーツ発祥の国イギリスでスーツの生地として古くから愛されている由緒正しい柄ということになります。
そんな男性的な柄とも言える「グレンチェック」ですが、今年は女性のアイテムにもどんどん取り入れられています。マニッシュ感覚で着こなしたり、逆に女性的なアイテムに落とし込むことで甘辛ミックスでより女性的な甘口部分を引き立たせ魅力的に感じさせるなど、その幅はさらに広がっています。
そしてトレンドにおいてはメンズよりレディースのほうがひと足早い傾向がありますので、ゆくゆくはメンズでも再評価され次のトレンドとなる可能性が大きいと思われます。この秋冬グレンチェックをひと足先におさえてオシャレ先取りを狙いましょう。
参考:ユニクロのメンズケーブルニットを着る女性が急増中?ジェンダレスの流れの中で男性もレディースの服を参考にすべき?https://goo.gl/TLHvVg
柄物を取り入れるなら、こんなふうに
“装飾性”を取り入れるというと色・柄物という事になりますが、カラフルで大判な柄であれば一気にカジュアルになり子供っぽい印象が強くなってしまいます。またそのようなアイテムを急に取り入れてしまっては、ワードローブの中で調整するのも難しく感じるでしょう。
やはり今のワードローブにも違和感無く合わせられるような派手すぎない柄物を選ぶべきです。では具体的にはどのようなことに気をつければよいでしょうか……。
まず色ですが、モノトーンやダークトーンといった色彩が強くないものが良いでしょう。また柄は大判ではなく細かい物だと遠目には無地に見え、近づくと感じる程度となりカジュアルな印象も薄れます。
さらに柄をあわせるアイテムにはカジュアルなものよりドレスなものをチョイスすることで、カジュアル感を極力おさえたまま地味にならず、ほんのわずかな印象の変化を獲得することができるでしょう。
(参考/左:大きな柄のウィンドウペン、右:細かい柄のグレンチェック)
左の方がややカジュアルで子供っぽい印象に見えます。
シルエットのキレイな秀作スラックスは柄物入門にうってつけ
上記のようにコーディネートに取り入れやすい柄物の条件に照らし合わせると、「グレンチェック」が当てはまることがご理解いただけるかと思います。また合わせるドレスアイテムというとジャケットやスラックスとなりますが、秋から使えるとなればやはりボトムスですので、まず買うべきはスラックスということが言えます。
ここで、「グレンチェックならスーツには定番なのでひと昔前に量販店で買ったもの」や「お父さんが昔履いていたというものがタンスに眠っているかも」と思われた方もいるかもしれません。しかし、それをそのまま使うのはちょっと待っていただきたい。
トレンドは巡るとは言いますが、やはりその時代の価値観に合ったものに修正されてリバイバルされています。量販店や昔のスラックスでは、フルレングスでシルエットもストレートな少々野暮ったいデザインのものになっているかと思います。
今ユニクロでも大々的に打ち出している「アンクル丈」のパンツ。これは総じて9分丈で裾に向かってテーパード(先細り)したスタイルですが、これが今の時代に受け入れられたスタイルといえます。
詳しくはMB氏がかっこよく見える理由を解説しておられますのでご参考まで。
参考:中年太り体型でもユニクロの「イージーアンクルパンツ」が格好良く見える理由
この『服ログ』でも複数のレビュアーが絶賛されスタイルがバツグンに良いことに定評がある「イージーアンクルパンツ」にこの秋冬「グレンチェック」がラインナップされました。
イージーアンクルパンツ(グレンチェック・センタープレス・レングス66~72cm)¥2990(税抜)
シルエットは裾に向かってテーパードしたシュッとした形ですが、もも周りは若干緩くウエストはゴムなのでお腹が出てきた中年体型でも足の太さに合わせてサイズが選べるありがたい仕様。
さらにこのウエストゴム部分、今年進化しております! 昨年のはゴムが生地の中で縮むことでくしゃくしゃっとギャザーが入り、タックインした際にはこの部分が見苦しく見えていましたが、今年はゴムベルトになっていてこのベルトの表面がウール地のような加工が施してあるため、シワも入らずスッキリとさらに上品な仕上げになっています。
(参考/左:昨年のイージースマートスタイルパンツ、右:今年のイージーアンクルパンツ)
ウエストゴム部分のギャザーが消えスッキリ! https://goo.gl/JZAhnT https://goo.gl/A4mHLf
ちなみに筆者は170cm/65kgでもも周り太めな体型ですが、Sがジャストサイズでした。若干ももやお腹周りがピタッとしていますが、ゴムやストレッチが効いていますし、ダークトーンなのでムチムチ感はありません。
素材もウールライクで上品な仕上がりですが、59%綿、38%ポリエステル、3%ポリウレタンの混紡で耐久性があり、また若干のストレッチも効いていて履き心地も良いと、三拍子そろったいいとこ取りは相変わらずの好印象。またコスパにも優れてますので、ガシガシ着てヘビロテしてヘタったとしても財布は痛みません。
さらにお洗濯がイージーケアなのもうれしいところ、公式でも洗濯機(ネット使用)可とうたっており自宅でお洗濯できちゃいます。というわけで一度、洗濯機で洗ってみました。洗濯表示では「洗濯機で弱い洗濯ができる」ということでしたので、裏返しにして畳んでネットに入れ「手洗いコース」で洗いました。
(参考/洗濯後の状態)
写真を見れば一目瞭然ですが、裾近くに若干シワがみられるものの目立ってしわくちゃになることもなく、また毛玉もでていません。さらにセンタープレスもくっきりと残っています。乾燥の指示は「日陰のつり干し」ですので、あとは手でパンパンと叩いてしわを伸ばし、写真のようなハンガーでつって部屋干しするだけ、あとはアイロンいらずでしわもなく仕上がります。
なおグレンチェックのスラックスはGUでも展開されていますが、同じグレーでもユニクロのほうがダークグレーですのでドレス感は黒スラックスに近く使い勝手もよいかと思います。柄物入門にはユニクロがオススメです。また生地も肉厚で起毛感がありますので寒い時期まで長く使えるでしょう。
(参考/左:(GU)イージーアンクルパンツ、右:(ユニクロ)イージーアンクルパンツ)
右のユニクロのほうが、生地が肉厚でしっかりした作り、また濃いグレーで柄の主張も控えめ。https://goo.gl/vjRMoA https://goo.gl/A4mHLf
コーディネート例とまとめ
柄物ですが、グレンチェックはスーツでも使われる定番柄ですので、シャツと合わせてしまうと「ビジネス」っぽい印象が強くなってしまい仕事帰りのサラリーマンのように見えてしまいます。かと言ってカットソーだとボトムスに柄が入っているためドレス感の調整が難しかったり。
そんなときはシャツでもデニム素材などビジネスシーンでは使わないものをチョイスしてあげましょう。デニム素材は生地感に表情もあるためさらに地味な印象も払拭できますし、シャツなので襟が付くことでドレス感も加える事ができます。
まとめ
・取り入れやすい柄物はダークトーンで細かい模様のもの
・シックでありながら、トレンド感も演出するグレンチェック柄がオススメ
・柄物はドレスアイテムから取り入れる