日常生活で必需品の1つであるサイフ。防犯のことを考えるとジャケットやズボンのポケットなどに入れたいところですが、「いざポケットに入れるとどうしてもかさばってしまいストレスを感じる」ということはないでしょうか。
今回紹介させていただくアブラサスの『薄い財布』はそういったストレスを軽減し、荷物を必要な量だけに抑えたいミニマル思考の方に最適な財布です。
筆者が購入した色は『チョコ』です。2年ほど使用しているため、所々に傷など使用感があります。そちらをふまえたうえでご覧ください。
小さなサイズに集約された多様な収納性
まずこの財布の1番の特徴は実寸9.2cm×9.2cmと何より小ぶりであることです。13.8cm×6.7cmのスマートフォンと比較しても高さがないので、ズボンやジャケットのポケットからはみ出ることがありません。
内部はこのようなつくりになっています。1枚の牛革を縫い合わせてつくったというこの財布。順番にその機能を見ていきます。
まずは小銭入れ。左右2つのボタンで開閉するつくりで、販売サイトの説明では15枚の小銭が収納できると表記されています。実際に収納できるか確認してみました。
999円相当の小銭15枚を入れました。多少の膨らみは出ますが、キツさもなく容易にボタンを閉じることができます。
続いてカード部分です。画像ではカードを5枚入れています。三角形のスリットが2ヶ所にあることで隙間ができ、カードが取りやすくなるよう工夫されています。
そして紙幣部分。2つの切り込みがあることで紙幣がガッチリと固定され、なおかつ取り出しやすいデザインです。
紙幣の裏にもう1つ収納できるスペースがあります。ここに鍵などを収納できます。
紙幣を取り出すときに鍵が見えないよう、内側のスリットが隠れようになっています。こういった細かい配慮がアブラサスというブランドの特徴です。
(これだけの量を収納しても厚さは約1.5cm)
小銭·カード·紙幣部分が重ならないような配置。小ぶりでありながら必要最低限のものをすべて収納でき、取り出しやすさなど細かい配慮も感じられるデザインと機能性を両立させた財布です。
2年使ったうえでの注意点
小ぶりで便利なこの財布ですが、注意すべき点を2つ書きます。とはいってもデメリットというほどでもないので、参考程度に読んでいただければと思います。
1つ目が小銭部分についてです。999円相当の小銭15枚がキレイに収まると書きましたが、15枚以上小銭があるときは収納はしづらくなります。
画像は20枚ほど入れた状態です。ボタンを留めることはできますが少しキツく、ボリュームが出てしまいます。財布が部分的に白くなっているのは、筆者が小銭を多めに入れる機会が多く、内側から圧迫してしまったのが主な理由です。
この財布の革は傷が目立ちにくくなるエンボス加工がされているのですが、こういった傷はどうしても隠しきれません。現金での買い物を繰り返せば小銭は増えてしまうので、できるだけ電子マネーやカードでの支払いを推奨します。
2つ目はカードの枚数についてです。財布を使い込んでくると革が広がり、5枚だと隙間ができ、カードが落ちやすくなってしまいます。
上がカード6枚、下が7枚入れた状態です。7枚入れたとしても若干ゆとりがあるので、カードの取り出し時に困ることはありません。使い込んだ年月に寄りますが、カードの落下防止を考えると7枚入れるのがベストだといえます。
上記2点、小銭·カードの枚数に気をつければ必要なものを瞬時にストレスなく取り出せます。価格は1万4990円(税込)です。
この薄い財布をつくるにあたり、デザイナーは既存の概念を捨てて、「ポケットに入れるうえで最も快適なデザイン」をゼロベースから考えたそうです。
アブラサスとはラテン語で「削り取る」の意味。消費者が使ううえで何が必要で何が不要なのか、ブランドの名にふさわしい削ぎ落とされたデザインの財布なのです。