「ほ、ほしい…」。時々ある服屋さんでの一目惚れ。筆者の場合は、このノーブルな見た目にやられました。珍しい生成り色のレザーバッグ、知的なウィンドウペン柄、そして海外ブランドならではの遊びのきいた雰囲気。
さらにモノトーンの色使いは、「ああ、このバッグは合わせやすいだろうな」と私に思わせました。モノとしても良いし、愛用できそう。よし。と買ったあとは満足感に浸っていました。まさか使いづらいとは知らずに……。
愛鞄紹介

このバッグは表裏でレザーの切り返しがされています。こちらの面はオフホワイトにウィンドウペンチェック。よく見るとギザギザな線が走っています。細かく見ても目を楽しませてくれるデザイン。

サイズは50cm×40cm×1cm(ハンドル含まず)。ご覧のとおりマチはなく、瀟洒な雰囲気が感じられます。収納力は同じサイズのクラッチバッグと同等。
ステッチはレザーのカラーと同色で全体として華奢な印象があるものの、きっちりと縫い合わされています。革質はソフト。目が細かくしっとりとしており、高級感があります。鼻を近づけると鞣された革の良いにおいがします。
革のやわらかさを活かして、折り曲げて使用することもできます。私はこの使い方がメインになるだろうと思い購入しました。

反対の面は無地のブラック。白いハンドルが映えます。こちらとウィンドウペン柄生成りは2015年の同ブランド商品展開で多くみられた組み合わせです。

ファスナーはやや重めに、滑りよく開閉します。アンティークをおもわせる表面のメッキ加工と相まって高級感がでています。

バッグ内側には小ポケットが一つ。裏地は目の細かいキュプラのような素材。
合わせにくい?!

使ってみてわかりました。この美しいバッグ、合わせにくいです。このバッグはハンドルのついた薄型の長方形の形をしています。そう、これは「ブリーフケース」。ご存じブリーフケースはスーツと合わせるバッグ。
普段着に合わせるとどうしても違和感をおぼえてしまうことは、皆様もご想像できると思います。「モノトーンだから何にでも合うだろうな」と思って買いましたが、その点においては失敗でした。ハンドルのフォーマル主張が案外手ごわかったです。

では、白シャツに合わせればよいのでしょうか。否、白シャツでもビジネスシーンのイメージを連想させしてしまいます。上の商品写真。どこか、「オフィスに行く人」に見えませんか。
カッコイイ合わせですが、街着としてみるとすこしカッチリしすぎているように見えてしまいます。しかも、このバッグ「遊びのあるフォーマルアイテム」でもあります。よく見るとウィンドウペンチェックの線はギザギザ。
薄マチのフォルムも相まって、やはり「遊び」の雰囲気が感じられます。そのままスーツに合わせるのも難易度が高いでしょう。では、この「遊びのあるフォーマルさ」にどう向き合えばいいでしょうか。
こんな風に使ってます

最近はこんな風に着ています。パンツはワイドスラックス。センタープレスで「フォーマル感」との調和を狙いました。ワイドなものを選ぶことで「遊び」もプラス。トップスは黒。最近では長袖で合わせています。
写真では伝わりにくいですがややオーバーサイズをチョイス。シューズはオフホワイト。バッグと同じ色味にして、一体感を強める意図があります。
バッグとパンツでカッチリ感が強いために、トップスとシューズでカジュアルなものを選びました。
※ドレスとカジュアルのバランスについてはこちらをご覧ください。https://goo.gl/38NAkK
結果シルエットでリラックスしていながらも、大人っぽさも漂う街着に仕上がったかと思います。私、秋冬は黒がちなのですが、このバッグはその中の抜け感の演出に貢献してくれています。
おわりに

私はこの買い物で、「好きなモノと合わせやすいモノは違う」と学びました。使い方がきちんとわかるまでこのバッグは「モノとしては好き」でした。結果、買って1年近くはタンスの肥やしに。合わせ方がわかってはじめて、「愛用品」になりました。
また、「好きなモノをうまく使えたときの喜び」も改めてわかりました。今思うと買う前の私にとってこのバッグは背伸びであったと思います。
時間はかかりましたが、使い方がわかったときには「買ってよかった」という安心感も得られ、憧れにようやく追いつけたような実感というか。やはりそれを味わうためには、時々の背伸びも悪くないのかもしれません。
私はこのバッグを黒がちなファッションの方におすすめします。生成りの色味が黒の重さを和らげてくれます。それに白いレザーは街中で目を惹きますよ。どこかでこのバッグを見かけたら、ぜひ手に取ってみてください。
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