アンティーク時計は2つのポイントを注意すれば普段使い可能!

アンティーク時計と聞いて皆さんどういう印象をお持ちでしょうか? 高い割に壊れやすそう……だとか、コレクターが大事に愛でる為のもので日常使うものじゃないでしょ……といったような印象をお持ちかと思います。

しかしクラシカルで時代を感じさせる佇まいには、傷や文字盤のくすみさえも長い時を経て生まれた”味わい”に写りますし、手間をかけて作られた”質感”は現代の時計を上回る魅力があります。

そしてアンティーク時計は一点ものであるため人と違う時計、いわば自分だけの時計となりえます。

工業製品というよりも歴史的・芸術的価値が認められ博物館で保管されるようなものもありますが、一部のアンティークには使い方さえ理解し気を遣っていれば普段使いできるものもあります。

1969年、クオーツの発明によって機械式時計は衰退していくことになりますが、それ以前、つまりアンティークの後期に類する1960年代以降に作られたものは機械式時計の成熟期を迎え、ケースの防水性が比較的向上しています。また、広く一般に普及してきた時期でもあり修理部品も安価で豊富にあるため安心して普段使いできるものと言えます。

その頃に製造していた名だたるメーカーにはセイコー、ロレックス、IWC、オメガなどがありますが、今回は私が所有する1960年製のオメガ「コンステレーション」の魅力についてご紹介したいと思います。

出会いは突然に

アンティーク時計との出会いは一期一会。求めていれば思いがけず出会いが訪れることもあります。まずはそんな出会いからお話したいと思います。

普段からスーツを着る機会も無かったため、時計はタフで正確さを重視したCASIO製のものをいくつか所有しておりました。30代後半にさしかかり「大人らしい」格好にあうような、さらに欲を言えば、たまのスーツにも合うような時計がないものかと探しておりました。

「大人っぽい」となればやはりシンプルでクラシカルなものとなりますが、そうなると男たるもの断然「機械式」の時計が外せません。しかし機械式の時計は贅沢品で30万円以上からになります。

そんなときに60年代のアンティーク時計の存在を知りました。前述したように結構数も出回っているようで、価格帯も10万前後とリーズナブル。意気揚々と楽天などで探してみると、かなりの取り扱いがあります。

しかし色年代モノなので中身が心配。しっかりと整備されているのか、信頼のおけるお店なのか、はたまた壊れたときにどうするのか?といったことが頭をよぎりネットで買うことを躊躇せざるを得ませんでした。

……そういえば、県内に古くから高級時計を扱う有名なお店があることを思い出しました。そこはユーズドの扱いもかなりあるとのこと、期待に胸を膨らませて足を運んでみました。店内に入り、ユーズドのショーケースに行くと「アンティーク」と書かれた区画が。

セイコーにロレックス、オメガとそれぞれ10~20点程ほどおいてあります。全体的に眺めてみたところ、やはりアンティークだけあって特有の文字盤の焼けやくすみ、ケースの小傷など歴史を感じさせる時計たちが並んでいます。

「ん?」その中にひとつだけ、年代に不相応なほど色白で眩しく、つい最近作られたものかと見紛う程の逸品を発見しました。そうそれがこの「コンステレーション」でした。

価格は15万円。さすがに強気の価格設定でした。店員さんによると、今まで入荷した中でも見たことがないほど状態が良いものらしく、その点は価格に反映しているとのこと。

また小ぶりゆえに、女性も手にとることができるため、「先日はOL風の女性が熱心に見ていった」とのこと……真偽の程はわかりませんが、この機会を逃すともう次は無いかもということは肌で感じました。

小ぶりで丸みを帯びた女性を思わせる佇まいと、シンプルで飾り気のない美しさ、さらに50年以上の経年を感じさせない綺麗なルックス。これをみた時、私は一目惚れしてしまいました。

そうまるで、これは女性に例えるならば時計界の「石田ゆり子」。奇跡の出会い、これを逃す手はありません。というわけで、その日のうちに即決してしまいました。

シンプルながらアンティークならではのデザインと造り

順を追ってみていきましょう。サイズは34.5mm、現在のレディースウォッチは大体35mm以下ですので、メンズウォッチの主流からすると小ぶりなサイズ感です。

ケース厚は10.5mmと少々厚めですが、これは風防がこんもり丸みを帯び盛り上がっている分、半分程厚みをとっているからとなります(風防については後述します)。

素材はステンレススチールです。僅かなスレ、小傷が見られますが目立った大きな傷などはありません。またラグの部分(バンドと本体をつなぐ部分)も変形した様子もありません。

裏蓋も僅かなスレ、小傷が見られる程度で、さらに天文台が描かれたメダリオンもメッキ剥がれなどもなく、キレイな金色に輝いています。

(参考/正面)

(参考/裏面)

・ダイヤル(文字盤)

光沢のあるシルバーダイヤルは焼けや色ムラがまったくありません。

また1から12時の位置を示すのは数字ではなく美しいカッティングで立体的なアップライトのバーインデックスのみで、針はスッキリとシャープな印象のドーフィン針(万年筆の先のような形)の組み合わせ、とシンプルさが際立ちます。

さらにダイヤルの中央は外周よりも盛り上がったボンベイタイプとなっており当時のハイコストな仕上げが、よりアンティークならではのデザインと造りを堪能できる逸品となっています。

(参考/ダイヤルの状態)

(参考/外周から盛り上がったダイヤル形状)

・風防

ドーム型の風防もアンティークらしいポイントですが、素材はプラスチックです。現在の高級時計ではサファイアガラスが使われていますが、当時はガラスの強度がなく、薄いとすぐに割れますし厚いとかなりの重量となってしまうため、プラスチックが採用されていました。

ちょっとした衝撃くらいなら小傷が付くくらいで割れることはありません。またもし割れたとしても安価で替えが効くという利点もありました。それに現在でも純正品への交換が可能です。

(参考/横から)

・ベルト

こちらはもちろん付け替えられたものですが、日本製ミモザ社の牛革のクロコ型押しとなっており高級感のあるドレッシーな雰囲気を醸し出しています。

(参考/ベルト)

信頼できる性能とお店

次は中身について、時計の心臓部となるムーブメントですが、自動巻きクロノメーター<キャリバー>Cal.551を搭載しています。

キャリバーとは型番のようなものですが、’50年台後半から’60年台のオメガを代表する機械で、外部精度検定に多数合格(=クロノメーター)した事でも有名です。

※キャリバーとムーブメントの違いと意味をわかりやすく解説
https://goo.gl/rbLNSY

※オメガ キャリバーコレクション
https://goo.gl/UsMDfC

またCal.55*のシリーズは名機と呼ばれており、オメガの自動巻きの完成形と言えます。その精度と堅牢性はいまもって極めて高い水準で、今日でも現役で使用することができる実用性を兼ね揃えています。

私も目視で確認しましたが、現在でも日差+15秒前後といったところです。

とは言っても、これらの性能はしっかりと整備をしていなければ維持されません。購入する前には、修理歴やオーバーホールの実施年月をキチンと確認しておきましょう。

妙に曖昧だったり、オーバーホールの期間が開いている場合は、後々のトラブルの元となりかねませんのでしっかり確認できてから購入したほうが良いでしょう。

また時計に詳しくない場合は、時計の性能についてやその背景、歴史についてお店の方に気軽に聞いてみてください。上記のムーブメントの話などは、店員さんがわざわざオメガの特集されたムック本を幾つか持ってきてくださり、懇切丁寧にご説明頂きました。

こういう話、時計好きにはたまりませんので店員さんも絶対ノリノリで饒舌に語ってくれるはずです。

またその時計の機能が自分のライフスタイルに合っているか、ということも相談できるとなおいいですね。ちなみに私が購入したタイプは日付表示が無いものです。

毎日使うという場合はやはり日付表示が欲しいところかと思いますが、私のように週末のお出かけでしか使わないとなると、使う度にいちいち日付をあわせるのが面倒だということを教えて頂き、日付は不要と判断しました。

またこの時計、防水性もそこそこあり店員さんによると日常生活防水レベルとおっしゃっていました。水がびっしょり掛かるのはさすがにNGですが、手洗いで水しぶきが掛かる程度でしたら、そこまで慌てることなくハンカチで水気をとってあげれば特に心配は無いということです。

このように本当に自分に合った時計をしっかりアドバイスしてくれるお店であれば今後のおつきあいも安心です。

アンティークを買うときに注意する点

ではアンティークを買うときに、何に注意すべきでしょうか。上述したようにアンティークには語り尽くせぬ背景があり、特にレアものというのに心を奪われがちです。店員さんも文字盤が○○でどうとか……ケースの形状が特殊だったりするものを男心をくすぐるストーリーを聞かせオススメしてくるかもしれません。

確かにこういった要素は長く使うための魅力を感じるには重要ですが「普段使い」の観点で選ぶ場合は、大事なのはむしろ中身です。

素人でもできる判断方法ですが、自動巻きの場合は機械を軽く振ってみてください。カタカタと異音のする物はゼンマイを巻き上げるローターの芯が傷んでいる可能性があるので避けた方がいいようです(気になったらケースを開けてもらうという手もあります)。

またケースに深い傷が入ったのもやめた方がいいでしょう。強い衝撃を受けた、と考えられるからです。こういう時計は、いくら直しても元の精度を出しにくくなっています。

とはいってもプロでもハズレを引く世界です。理想をいえば近場で修理保証があり、しかも購入する前に精度まで教えてくれる信頼のできるお店で買った方が安心です。

アンティーク時計を使う際に気をつけること

そしてアンティーク時計を使う際は、以下の2点に気をつけましょう。

できるだけ磁気から遠ざけること。磁気の影響を受けると内部パーツが磁気帯びし、止まったり、時間が大きく狂うことがあるためです。現在の機械式時計や電子機器では防磁性能は当たり前となり意識することはありませんが、アンティーク時計は磁気に弱いです。

磁気を発生する機器(携帯電話やパソコンなど)やバッグのマグネットなどから時計を遠ざけておきましょう。

特にバッグの中に入れる場合も要注意です。スマホやタブレットのカバーや財布など、意外とマグネットがついているものがありますので気をつけましょう。

つぎに、水に濡らさないこと。生活防水となっていても、できるだけ水がかからないようにしましょう。アンティーク時計は完全密封ではありませんので湿気が入るとサビなどの原因となります。手を洗う際もできるだけ外すほうが安心です。

この2点さえ守れば、古い時計といえども十分普段使いできるでしょう。

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2018.05.30
しまゴン

この記事を書いた人

しまゴン

身長170㎝ 体重65㎏ 靴26㎝(革靴だと40[25cm])

30代後半。 以前は軍モノが大好きで服はスペックで買っていましたが、2年前おしゃれに見せるロジックと衝撃的な出会いをはたし、トータルコーディネートの重要性にめざめました。服は色んなジャンルを楽しみたい雑食系。将来娘とデートしてもらうのが目標。

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