【ヘアスタイリング剤比較】「マンダム」と「THEO」のジェルを美容師が実際に使ってみた!

男性のヘアスタイリング剤として定番のひとつであるジェル。美容師として、それから1人の消費者として、「ジェルは商品ごとの違いがわかりにくい」と感じていいます。最終的にパキッと固まってしまうため、仕上がりが似通っているうえに、短髪に使うことが多いため使用感を実感しづらいというのが原因です。そこで今回はドラッグストア等で売っている安価な製品と、美容室専売のハイエンドな製品を比較しました。使用する製品は次の2つです。

まずは、マンダム ロングキープジェルスーパーハード。ドラッグストア等で350円前後の価格で売られている商品。容量も225gと大容量です。

次にTHEO ジェリー ソリッドホールド。サロン専売品の中でも男性向けに特化したブランド、THEOのスーパーハードジェル。このブランドはひとつひとつの製品に際立った特徴があり、こだわりの一品といった印象です。120gで参考定価は1800円。10g単位計算では実に10倍程の差がある2つの製品。果たしてどのような違いが現れるのでしょうか?

テスト方法について

ジェルは髪の毛が半乾きなどの濡れた状態でつける方も多いでしょう。濡れた状態でつけるメリットとしては、「伸びがよくなりつけやすくなる」「クセ毛やパーマをきれいにだせる」。デメリットとしては、「やや、もちが悪くなる」「乾くのに時間がかかる」「仕上げのコントロールがしづらい」といった点があります。特に重要なところはクセ毛やパーマ。これらは濡れた状態でカールが1番でること、束感がきれいにだせることなど濡れた髪でスタイリングするメリットが大きいです。

今回も濡れた状態、乾いた状態両方のテストをしましたが、あまり結果に差が出ませんでした。よって、基本乾いた状態、朝寝癖を直し、自然乾燥した状態からスタートしてものを記載します。

マンダム ロングキープジェルスーパーハード

まずはこちら。マンダムのスーパーハードジェルからテストから始めていきましょう。手に取ってみるとこのような感じ。写真で判別するのは難しいと思いますが、こちらの商品はテクスチャーがややゆるめ。水分量が多いです。この量を髪につけていきます。ここで感じたのはこのジェルはつけた時点でのホールド力が弱く、乾ききるまでは髪型を固定する力が弱いということ。剤の粘度が低く、まるで水をつけたかのような感覚。乾いてしまうとパキッと固まります。このタイプは伸びがいい反面、ヘアスタイルの形を強引に作ったり、立ち上げたりという操作が苦手なタイプです。

剤の粘度が低いと伸びがいい反面、髪の毛同士をくっつける力が弱く、ワックスのように髪を立たせ、操作するのが苦手になってきます。同じスーパーハードのジェルでもこのあたりは製品によって違い、説明がないことが多いです。テクスチャーが固いものはツンツンと立たせるようなベリーショートには使いやすい。ワックスに近い使い方ができるタイプ。反面伸びが悪いので特に多毛の方は使いづらさを覚えると思います。

ゆるいものは自然な動きを表現するのに向いています。パーマヘアや私のような撫で付ける髪型など。強引な操作が苦手なため、細毛でボリュームを出したい場合には適しません。これはどちらがいいというわけではなく、髪質や使う髪型によって向き、不向きがあります。

スタイリング後です。ウェット感、束感がありジェルらしい仕上がり。スタイリング剤、髪の毛が乾くとこのようにパキッと固まります。思いっきり髪をとかしたり、激しい運動をしない限りはセットが崩れることはないでしょう。商品名の通りのキープ力は伊達ではなく、筆者も一日問題なく過ごすことができました。

ジェルは良くないものだと「白い粉をふいて表面に出てきてしまう。」「カサカサと剥がれ落ちてくる」という現象が発生することがあります。個人的にも使用することがある商品なのですが、こちらはその現象が起きないのも良いところ。ベタつきや洗い落としの問題なども特に感じたことはなく、安かろう悪かろうではない、優秀なスタイリング剤だと思います。

THEO ジェリー ソリッドホールド

続いて、THEOのソリッドホールドジェリーを試していきます。手に取るとこのような感じ。先程よりさらにゆるく、固体というより液体に近いテクスチャーをしており、伸びが非常に良いです。こちらは髪につけた際少しベタっとした感触があり。ある程度のホールド力があります。このおかげでまとまりがよくなりますね。粘度が高すぎると、つけた瞬間からベタベタしすぎてまともに動かせず、扱いが難しいジェルもあります。このあたりは非常に良いバランス、扱いやすい、スタイリングしやすい製品といえるでしょう。

仕上がりがこちら。写真ではわかりづらいかと思いますがこの製品はツヤがポイント。マンダムや他の製品と比べても一段ツヤ感は上と感じます。ビガッとした光沢。このツヤ感はこだわる人には刺さります。毛束一本一本をコーティングする力も高いようで、マンダムのものより馴染みが良く、しっかりした印象。そして固まるととても硬くなります。

比べてみてわかったこと

個人的にはTHEOのツヤ感は好みで、今回比べてみて改めて良さがわかったところもありました。しかしながら、遠目でみたらさほど仕上がり感は変わらないかなと言うのが正直な感想です。普通にセットするだけなら、マンダムのジェルでも充分。コストパフォーマンスも非常に高いです。今回テストした製品は、どちらもかなり使いやすい部類に入ると思います。つけやすさ、使い心地の部分ではほぼ互角の勝負。細かいところをみると、THEOのほうがツヤがあったり、馴染みが良かったりで良いところはあります。

ワックスなどであれば髪型により「このスタイリング剤がないと成立しない!」という事もあるでしょう。そこまでのインパクトはありません。そこを踏まえた上でまとめると「THEOのスーパーハードジェリーは本当にこだわる人向け」というところでしょうか。今までサンプルも含めいくつかのジェルを使用してきましたが、どちらも同価格帯ではピカイチの製品です。気になる方は試してみてはいかがでしょうか?